「ユウさんはどこですか?」
キョロキョロと辺りを見回すゼロスに、あたしは何も言えず、思わずうつ向き視線をそらす。
「───そ……れは……」
「それは?」
「………………」
言葉に詰まるあたし。
ゼロスはそれを見て訝しげな声を上げた。
「リナさん?」
その呼びかけに顔を上げると、ただならぬ空気を感じ取ったのだろう。
そこには真剣な表情のゼロスがいた。
───いつまでも隠してはおけない。
そんな思いから意を決すると、あたしを真っ正面から見据えるゼロスに言う。
「……ユウは……いないわ……」
「……ですから、どこにいるんですか?」
「……異空間よ……」
その言葉に、ゼロスは信じられないとばかりに瞳を見開く。
「……ま、さか……」
その声は掠れていて、彼は何かに急き立てられるかの様に、あたしの肩を掴んだ。
───そして。
「どうしてっ……リナさんと一緒だったはずでしょうっ!?」
「異界黙示録の所でガーヴに襲われて……ユウは、自ら異空間に飛び込んだの」
「……そん、な……」
魔族や竜族ですら迷う異空間。
さすがのゼロスにも容易にユウを探しに行く事は出来ないだろう。
再びうつ向いたあたしの肩に、ゼロスの力が込められた。
「───……それなら」
しかし。
ゼロスが何かを言おうとした、その時。
「くっ!?」
何者かの気配を感じ、珍しく焦りの色をにじませたゼロスは、慌てて身をひるがえす。
───が、その瞬間。
ぞむっ!
何もなかった空間から赤い閃光が走り抜け、それはゼロスの右腕を肩からバッサリ斬り落としていた。
───……一体何が!?
思ったのも束の間。
その場にがっくりと膝をつくゼロスに、あたしは慌てて視線をさ迷わせる。
───そして。
「精神世界面からの攻撃。お前の得意技使わせてもらったぜ、ゼロス」
見上げたそこに、佇んでいたのは───。
「……それはそれは、光栄ですねぇ……ガーヴ殿」
赤い長髪を風になびかせ佇む、魔竜王ガーヴの姿だった。
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