クウキョ(1/10)

薄汚れた天井。

ベッドサイドに飾られた花。

窓から差し込む暖かな光。

不安そうなアメリアさんと、難しい顔のゼルガディスさん。

私の意識が戻った時に見た物と者。



「……これからどうなっちゃうんでしょう……」

「…………さぁな」

「さぁなって、冷た過ぎですよゼルガディスさんっ!」

「だが不安がってばかりでも仕方ないだろう」

「それは……そうですけど、でも……」



そこまで言ってアメリアさんは私が目覚めた事に気づいたらしい。

「あ! ユウさん、気がついたんですね!」と明るい表情でコチラヘと駆け寄ってきた。

しかし、そばまで来ると一転。

その大きな瞳は心配そうに私を窺う。



「……大丈夫ですか?」



私はこくんと頷き、続けて尋ねた。



「……ココは?」

「宿の一室です」



宿……?



「もう、ビックリしたんですよ? ユウさんたら、いきなり倒れちゃうんですもん」

「…………」

復活(リザレクション)をかけても一向に意識は取り戻さないし、でも息はちゃんとしてるし……」



あぁ、そうか。

空間移動に膨大な魔力を使った影響で倒れ、深い眠りを必要としたのだ。

体力ではなく、精神を回復させる為に。



「じゃあここまでは……」

「ゼルガディスさんが連れてきてくれたんです」

「そうですか……ご迷惑おかけしてすみません」



起き上がり頭を下げると、彼は呆れたように溜め息を吐き出した。



「そう思うなら無茶はするな」



ごもっともです。

それについては返す言葉もない。

……ただ。

その言葉を受け、何故だか虚無感が心を苛んだ。

それを払拭するように、私は二人に尋ねる。



「それで……あの後ってどうなったんです?」



───すると。

彼女達は気まずげに顔を見合わせた。



「?」

「それが……」

「………………」



神妙な面持ちで話始めたアメリアさん。

私はそれに静かに耳を傾けた。

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