───あの後。
リナさんを宥めてすかして機嫌を取って。
何とか怒りを鎮めてもらい聖堂に戻ると、あんなに降っていた雨は嘘の様に止んでいた。
「んー、久しぶりの青空は気持ち良いわね」
「なあ、リナ。これからどうするんだ?」
外に出て、天に向かって腕を伸ばすリナさんにガウリイさんが尋ねる。
日はまだ高いし、今から次の街に向かっても間に合うだろう。
「もちろん出発よっ!! いつまでもこんな所で時間の浪費は勿体無いし。 何より、ここには美味しいご飯が無いじゃないっ!!」
「非常食にも飽きたしなぁ」
項垂れるガウリイさんに、「そう言えば……」とアメリアさんが思い出したように言う。
「次の街にとっても美味しいキノコ鍋があるはずですよ」
「ぅっしゃあ! そうと決まれば善は急げっ! 次の街に向かってしゅっぱ〜つっ!!」
『おぉっ!!』
アメリアさんの情報に、彼女達は一もニもなく飛び付き歩みを進める。
それに待ったをかけたのは、他ならぬ私だった。
「あの、それじゃあ私はこれで……」
「え? あぁ……そっか……」
「何だ、一緒に来ないのか?」
「えぇっ!? 一緒に行きましょうよユウさん」
「そうだな、無理にとは言わんが……」
私の言葉に皆が振り向き、彼女達は次々に誘いの言葉を口にする。
そしてゼロスも、
「ユウさん、一緒に行きましょう」
と手を差し伸ばしてくれた。
私はそれに微笑し、そしてゆっくりと首を振る。
受け入れる為にではなく、断わる為に。
「これ以上皆さんと居て被害を被るのも嫌ですし」
「ちょっと、ユウっ!?」
私の包み隠さぬ本心に、リナさんは怒りの色を見せる。
それに「冗談ですよ」と取り繕った後、私はもう一度笑みを浮かべ、
「お気持ちだけ頂きます」
と述べた。
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