「遠慮ならしなくていいわよ?」
「お前はした方が良いんじゃないか?」
どけしっ!!
「どーいう意味よっ!?」
「そのままの意味だろう……」
「何よ? ゼル」
蹴り倒されたガウリイさんを見て呟くゼルガディスさんだったが、リナさんに睨み付けられ、「いや……」と言いつつ後退る。
見てて飽きはしないが巻き込まれるのは御免である。
私は何事も無かったようにリナさんに向かって話を進めた。
「お言葉は嬉しいのですが……」
「何か用事でもあるの?」
「…………………………えぇ」
「その間が気になるけど……そっか、なら仕方ないわね」
「また今度会ったその時はご一緒させて下さい」
会う確率は低いだろうけど。
「わかったわ。それじゃあ」
「はい」
言って私はペコリとお辞儀をし、彼女達は街へ行く方へと歩き出す。
そして。
私は隣へと視線をやり、そこにいるゼロスへと問い掛けた。
「…………行かないんですか?」
「……行きます」
「早くしないと置いていかれちゃいますよ?」
「………………」
見るとリナさん達はゼロスの事はお構い無しに歩みを進めている。
「一緒に行きませんか?」
「………………」
「用事があるなら僕がお手伝いしますよ?」
「うん……」
にっこり笑うゼロス。
それに対し私は困ったように笑い、
「でもきっと辛くなるから」
「え?」
「あ、ほら。本当に早くしないとリナさん達を見失っちゃうよ?」
不思議そうな顔をする彼に、私は直ぐに話をそらす。
そして意識して明るく別れの挨拶をする。
「それじゃあ、元気でね」
「…………ユウさん」
私は微笑みを絶やさぬままに、逃げるようにその場を後にした。
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