「烈閃槍!」
振り向きざまに放ったそれは、ゼロス目掛けて突き進む。
だがその一撃は呆気なく、そして最小限の動きでひょいっと避けられてしまった。
「……当たれとは言わないけど、せめて何かリアクションしてくれても良いんじゃない?」
軽口をたたきつつ、私は次の呪文を唱え始める。
「馬鹿にしてもらっては困ります。もし僕にそれ相応の対応を求めるなら、それなりの術を使って頂かないと」
………なるほど。
烈閃槍程度では防ぐのも馬鹿らしいと言うことか。
ならば───。
唱えていた術を止め、私は新たな呪文を紡ぎ始めた。
永久と無限をたゆたいし
全ての心の源よ
威力が弱いなら単純に強化してやれば良い。
全てを唱え終え、私は力ある言葉を発した。
「烈閃咆!」
完成した術は、光の柱となってゼロスに突き進む。
───けれど。
パキィン!
それはさしたるダメージを与える事なく、渇いた音を立てて砕け散った。
「………………」
「次は僕の番ですね」
言うが早いか、ゼロスは右手の人差し指に生んだクルミ大の魔力球をコチラに向かって解き放つ。
私はタンッと地を蹴り、難無くそれをやり過ごした。
───が。
嫌な予感がして、更に私は横へと飛び退る。
その瞬間。
先程の魔力球が私の横を過ぎ去り、まるで意思を持っているかの様な動きでUターンすると、再び私に襲い来た。
私は慌ててそれを杖で薙ぎ払う。
腕にズシリと重みを感じるが、力任せに振り切ると、それはバシュっと音をたてて消え去った。
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