傷口に手を当てると、ぬるっとした、生暖かい液体が手を汚してゆく。
痛くて苦しくて。
痛くて、苦しくて。
その内それすら分からなくなって。
痛みすら分からなくなって。
とめどなく流れる血より、流れ出ていく命より、服が血で汚れる事の方が不快だった。
けれどそんな事を言ってる場合ではない。
痛みに対する神経が麻痺したという事は、逆に言えば麻痺する程の痛みという事。
───でも。
今はその方が良い。
その方が好都合だ。
やるべき事をやる為に。
悪あがきをする為に。
きっとその方が好都合。
私は傷口に手を当てたまま、小さく小さく呟いた。
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