(5/6)

「闇よりもなお昏きもの

夜よりもなお深きもの」



重破斬(ギガ・スレイブ)の呪文詠唱。



「ようやくその気になってくれたね」



リナさんが唱える混沌の言葉(カオス・ワーズ)を聞き、冥王が歓喜の声を上げる。



「混沌の海よ たゆたいし存在

金色なりし闇の王」



本来なら、止めるべきなのだろう。

呪文の詠唱を。

リナさんを。



「我ここに汝に願う

我ここに汝に誓う

我が前に立ち塞がりし

全ての愚かなるものに」



でも、ガウリイさんを失いたくないという気持ちも分かるから。

痛いくらい、よく分かるから。



「我と汝が力もて

等しく滅びを与えんことを───」





リナさんの掲げた両手に闇が産まれた。

いや、虚無が、混沌が産まれた。

リナさんが必死で制御しているが、その力は留まる事を知らず、辺りにも影響を及ぼし始める。

───そんな中。



「この時を待っていたぞ!」



冥王は嬉々としながら、両手を広げた。

それに反応するかのように、背後のクリスタルに稲妻状のエネルギーが集まり始める。

───そして。



「今この瞬間にその身を滅ぼし、混沌の力を暴走させるがいいっ!」



その冥王の言葉を合図に、魂を閉じ込めたクリスタルを媒体にしたエネルギーは赤い光の雨となって私達に降り注いだ。



「しまっ……」

「死者の魂に、その身を貫かれろぉおおおぉおぉおお───!!」



咄嗟に結界を張るも、冥王の攻撃の方が数瞬早い。

赤い光はリナさん目掛けて突き進み───、




















彼女を貫いた。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+