何も起こらなかった。
何も。
何も。
何も。
ただ、冥王の攻撃が『彼女』の手にしていた拳程の大きさの闇に吸い込まれた以外は───。
『彼女』は閉じていた瞳を開き、その視線を冥王へと向け、言う。
『我は、我が意志のみでここに在る。滅びを求めし者よ、望み通り滅びを与えん』
手の中にあった無を冥王へとかざし───次の瞬間。
「あ゛ぁぁああぁぁぁぁぁっ!!」
冥王は床へと吹き飛ばされ、もがき苦しんでいた。
だが、まだ彼は滅んでいない。
それを見て、『彼女』は躊躇うことなく第二撃を繰り出す。
それだけで。
たったそれだけの事で。
この一連の首謀者の望みは、ある意味で達成された。
そう。
自らの滅びを求めた事に対してのみは。
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