そもそもの彼の間違いは『彼女』と関係を持ってしまった事。
あまつさえ、『彼女』に攻撃を仕掛けてしまうだなんて。
言語道断、愚の骨頂である。
本来なら私も、その力の余波を受けていてもおかしくは無かったのだが……。
どうやら、この時代に来る前に貰ったブレスレットが『彼女』の力に反応し、私を護ってくれたらしい。
『何かの役に立つでしょ』とは言っていたが、まさかこの事だったんだろうか?
まったく、どこからどこまでが『彼女』の手の平なのか。
私はやれやれと溜め息を吐き、高台の上に佇む『彼女』を見上げた。
全ての元凶と言っても過言では無い当の本人は、何事も無かったかの様にそこに在る。
やがて、辺りを覆っていた金色の光が徐々に治まり、周りの様子が見えはじめた。
目の前の床には大きな亀裂があり、その向こう側には、冥王の呪縛から解けたガウリイさん達の姿がある。
どうやら彼等もコチラに気付いたようで、黄金に輝くリナさんを見て驚きの表情を見せた。
「リナ……さん?」
何が起こっているのか分からず、彼女に呼び掛けるアメリアさん。
それに答えたのは、ゼロスの声だった。
「いいえ、あれはリナさんじゃありませんよ」
皆から離れた場所に円錐が現れたかと思うと、それは直ぐにゼロスの形を成す。
おそらくは精神世界での本体が、円錐の様な姿をしているのだろう。
そんな事を考えている内に、ゼロスは事の次第を語る。
「一部始終を見せて頂きました。あのお方こそ全ての混沌の源、金色の王……」
「まさかあれは、ロード……」
「金色の魔王っ!? じゃ、リナさん重破斬をっ!?」
シルフィールさんが息を飲むのがココからでも分かった。
対して『彼女』は黙して語らず。
ただ、その視線をゼロスへと移しただけだった。
それを受け、彼はその場に跪づき、頭を垂れる。
「あのお方はおっしゃいました。我が力こそ我が意志と」
「……つまり、重破斬とは金色の魔王そのもの……」
ゼロスの言葉に、ゼルガディスさんがその答えを導き出した。
───けれど。
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