ベッドに横たわるユウさんの傍らで。
僕は彼女の、汗で張り付いた前髪をゆっくりと退け、そのまま頬に手を当てた。
───きっと辛くなるから
そう困ったように微笑んだユウさんが気になり、後を追った僕は、そこでフラつき歩く彼女を見つけた。
危なっかしい足取りで今にも倒れそうな彼女の身体は、案の定……グラリと傾く。
僕は慌ててユウさんに手を伸ばし、彼女の身体を掻き抱いた。
何とか抱き止める事が出来、ホッと安堵したものの、僕は自分の行動に疑問を持つ。
「何でこんなに慌ててるんですかね……僕は」
そんな僕の呟きにもユウさんは反応を示さない。
見ると彼女は顔を赤らめ、苦しそうに息をしていた。
「…………困りましたねぇ」
『人助け』。
咄嗟に抱き止めはしたが、本来僕が人間を相手にそこまでする義理も、ましてや理由もない。
───けれど。
僕の腕の中でグッタリとしているユウさんを見て、その姿に何か熱いものが込み上げて来る。
「このままにしておく訳にもいきませんしねぇ」
誰も聞いていないこの状況で、僕はわざとのんびりとした声を出し、いつもの自分を保とうとした。
そうでなければ取り乱してしまいそうで……。
ユウさんに怒りをぶつけてしまいそうで。
「……だから言ったじゃないですか」
それが一体何なのか。
僕は解らぬままに、その場を後にした。
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