ハクン(1/2)

ベッドに横たわるユウさんの(かたわ)らで。

僕は彼女の、汗で張り付いた前髪をゆっくりと退け、そのまま頬に手を当てた。





───きっと辛くなるから




そう困ったように微笑んだユウさんが気になり、後を追った僕は、そこでフラつき歩く彼女を見つけた。

危なっかしい足取りで今にも倒れそうな彼女の身体は、案の定……グラリと傾く。

僕は慌ててユウさんに手を伸ばし、彼女の身体を掻き抱いた。

何とか抱き止める事が出来、ホッと安堵したものの、僕は自分の行動に疑問を持つ。



「何でこんなに慌ててるんですかね……僕は」



そんな僕の呟きにもユウさんは反応を示さない。

見ると彼女は顔を赤らめ、苦しそうに息をしていた。



「…………困りましたねぇ」



『人助け』。

咄嗟に抱き止めはしたが、本来僕が人間を相手にそこまでする義理も、ましてや理由もない。





───けれど。



僕の腕の中でグッタリとしているユウさんを見て、その姿に何か熱いものが込み上げて来る。



「このままにしておく訳にもいきませんしねぇ」



誰も聞いていないこの状況で、僕はわざとのんびりとした声を出し、いつもの自分を保とうとした。

そうでなければ取り乱してしまいそうで……。

ユウさんに怒りをぶつけてしまいそうで。



「……だから言ったじゃないですか」



それが一体何なのか。

僕は解らぬままに、その場を後にした。

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