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その後も目の前にアメリアさん、そしてその次にゼルガディスさんが現れた。

ちなみに、その都度リナさん達と同じ質問をしてみた。

世界を見て回る意味。

なぜ旅をするのか。

曰く、悪を成敗する為。

曰く、体を元に戻す為。

この2人には聞くまでも無かったような気もするが……。

そうして私はコレが夢である事に、ほんの少しばかりの期待さえ裏切られる形となった。

そう、今までの出来事は全部夢だったのだ。

それを自覚するのに、さほど時間は掛からなかった。

さすがに次から次へと人物が変われば不審に思う。

そしてそれを目の当たりにして、そう言えばと思い出す。

似たような書類仕事ばかりで、自身がうつらうつらしていたのを。

何とか目を開けようと試みたものの、私が睡魔に勝てるはずもなく、眠りに落ちたのだ。

そう、だからこれは夢。

リナさんもガウリイさんも。

そしてアメリアさんも、ゼルガディスさんも。

だからアメリアさんに「また一緒に悪を成敗しましょうね!」と言われたことも、ゼルガディスさんに「文献探しに付き合ってくれ」と言われたのもすべて、全部、丸ごと漏れなく一切合財、私の見たい都合のいい夢。

だから目の前に居るおかっぱの神官も、夢の賜物なのだろう。

確かに夢でくらい良いものを見たいとは思ったけれど……。



「お久しぶりですね」

「そうね」

「夢の世界はどうでしたか?」

「…………現実はそう甘くないんだなって再確認できた」

「そうですか」



そう言って笑う彼は、夢の中でも魔族なんだなと思わされる。

その事に苦笑しながらも、私はさんざんしてきた質問を彼にも投げかけてみる事にした。



「ゼロスは世界を見て回る意味って何だと思う?」

「世界を見て回る意味……ですか」

「そう」

「と言われましてもねぇ……僕たち魔族にとっては負の感情を集めて回る事くらいですかね」

「…………あぁ、聞いた私が間違ってた」



人とは違う感性を持つ彼の答えなら何か取っ掛かりを見いだせるかとも思ったのだけど。

……本当に何が目的だったんだろう?

有り体に考えるなら、世界を見て回るのは視野を広げる為だ。

でも本当にそんな単純な事なんだろうか。

だとしたら視野を広げさせて私に何をさせるつもりだったのか。

仮に何かをさせたいならそんな回りくどい事をあのロードがするだろうか?

もっと端的に命を下すだろう。

そんな堂々巡りをしていると、ゼロスは意味ありげな笑みを浮かべながら言う。



「まぁ、人がどのような意味や価値を見出して旅に出ているのかは見当もつきませんが、それでも旅のお陰と言えることが一つだけありますよ」

「何?」

「それは───」

「それは?」



秘密です。

絶対そう言うと思ったのに。

彼は眠りの呪文と共に別の言葉を口にした。



「……ゼ、ロ?」



その真意を問いたいのに魔法の所為で瞼が重くなり、舌が回らなくなる。

どうして……。

夢のはずなのに。

そんな想いは声になる事なく、私の身体はゆっくりと目の前の机に倒れ込む。

そしてぶつかる直前にふわりと浮いたような感覚と共に「お疲れのようですから、またの機会にお会いしましょう」という言葉が降ってきて、



そこで私の意識はぷつりと切れた。














あとがき

微睡の中で聞いた言葉。

「旅のお陰で貴女に会えました」

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