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「いやいやいやっ! 不味いだろコレっ! ヤバいだろ確実にっ!」

「うるさい、台は台らしく何も言わずに私に踏まれてれば良いの」

「何だその理屈っ! 何だその台詞っ! お前は女王様かっ!?」

「次期国王はクレハでしょ。って言うか動かないで、落ちて怪我したらどうするの」



文句タラタラのクレハに釘を刺す。

ただでさえ土台がグラついているのに、クレハが騒ぐものだから更に揺れてバランスがとりにくい事この上ない。

と言うのも今私は、天井付近にある明り取りの窓の下に置いた、テーブルの上にある椅子の上に乗るクレハの肩の上に立っているのだ。

どうしてそんな事になったのかと言えば、私がこの部屋から出るにはそれしか方法が無いからで。



「扉の外には見張りがいるし、魔方陣の所為で魔法は使えないし、仕方ないでしょ」

「いくら方法がコレしかないとは言え、危ないだろ!」

「分かってるならじっとしてて」



手を伸ばせば簡単に窓枠に届く事が出来た。

後はよじ登って外にさえ出てしまえば浮遊の術を発動させて地上に降りる事が出来る。



「大体なんで急に外に行くなんて……」

「指輪の贈り主に一言言ってやりたくなったの」

「あ?」

「それに約束も果たしてないしね」

「…………」



話す内にも私は桟へと登り窓を開けた。

チラリと後ろを振り向けば、溜め息を吐くクレハが目に入る。

そしてコチラを見上げた時には真剣な眼差しがそこにあった。



「ちゃんと戻ってこいよ」

「もちろん。私の居場所はココだもの」

「…………」

「行ってきます」

「あぁ」



笑顔で告げれば、クレハもニッと笑って送り出してくれる。

そんな彼に私は「じゃあ2人への対応も宜しくね」と言って飛び降りた。

それから数瞬の間があり、術で地上へと無事着地した私の耳に「ちょっと待てぇぇぇぇっっ!!」という叫び声が届く。

しかしここでグズグズしている暇は無い。

私は心の中でクレハに謝りつつ、迷うことなく走り出していた。














あとがき

指輪の片割れの元へ───。

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