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「……ところで」

「はい?」



猫をこの上なく愛し、愛でる為に、可愛がる為に、猫を追い掛け回していたヴァンパイアの末路を見た後。

ベッドに並んで腰掛けた私は、隣のゼロスに尋ねた。



「この耳と尻尾、どうしたら治るか分かる?」

「うーん、そうですねぇ」



ゼロスは言いながら私の頭についた猫耳をくいっくいっと引っ張る。

するとつられるように尻尾が揺れた。

それからしばし。

ゼロスは何も言わず私の頭を撫でている。



「もしもしゼロスさん?」

「はい?」

「いや、はい?じゃなくて……」



気持ち良いことは確かだが、ずっとそうしている訳にも行かない。



「治る方法を知りたいんだけど」

「元に戻りたいんですか?」

「そりゃあ、もちろん」

「残念ですね。思わずお持ち帰りしたくなっちゃうくらい可愛いのに」



───って、どこに?

……………と言うか、可愛いと言われて嬉しい反面、微妙なやるせなさが心を蝕んだ。

何かゼルガディスさんの気持ちが分かる気がするな……。



「って、くすぐったいんだけど」



頭を撫でていた手を、今度は喉元をくすぐる様に動かすゼロスに意見した。

すると、彼は楽しそうに笑って言う。



「おや? 猫ってこうすると喜ぶんじゃないんですか?」

「猫はそうかもしれないけど……て言うか」

「?」

「ゼロスは私を喜ばせたいの?」

「さぁ?」



………………。

一体何がしたいんだか。

私は彼の思考回路についていけず、かと言って深く考えるのも面倒になり、溜め息を吐いてから、ころんと横に寝転んだ。

ゼロスの膝の上に。



「……ユウさん?」



世間様一般では膝枕と言うその行動にビックリしたのだろう。

彼は目を開け固まった。

……否、自分でもどうかと思うけど。



「……あの」

「んー?」

「……えーと……」

「ん〜」

「…………いえ、何でもないです」

「ん」



会話とすら呼べないそれに諦めたのか、それとも瞳を閉じて眠る体勢に入った私に呆れたのか。

ゼロスは小さく息を吐くと、ゆっくりと私の頭を撫で始めた。

その心地良さに、再び睡魔が襲い来る。



「その姿の事ですが、きっと明日にでも薬の効果が切れて元の姿に戻ってますよ」

「……そっか」

「だから安心して眠ってください」

「……ん」



その言葉を最後に、私は彼に擦り寄るようにして眠りに就いた。



ゼロスの穏やかな気配を感じながら……───






















あとがき

変心。

変わりゆく心。
今はまだ胸の内に眠る───。

(キリリク3万Hit 友姫様へ)

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