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「ゼロス、もしかしてユウはあたし達の事を覚えて無いわけ?」

「みたいですね……どうやら3、4歳位までの記憶しか無いみたいです」

「……3歳」

「中身も外見も縮んだという事か」

「それにしたってどうしてそんな事になったんだ?」

「あぁ……それは多分、この魔道書が原因かと」



言ってゼロスは手にしていた魔道書をリナに渡した。



「昨日ユウさんが買った本です」

「また随分とマニアックな本ねぇ……?」

「どんな本なんですか?」



ペラペラとページを捲くるリナの隣でアメリアとゼルガディスが覗き込む。

と、そこには古代文字がギッシリと書いてあった。



「どうやら時間操作の魔法の事が書いてあるようだな」

「みたいね。でも結局、理論ばっかりで実現はしなかったらしいわ」

「なら、ユウはどうして縮んだんだ?」



皆の会話を聞いていたガウリイが、ユウを抱っこしながら尋ねる。



「って、ちょっとガウリイ! 何やってんのよアンタっ!?」

「何って知らないのか? コレは抱っこって言うんだぞ?」

「んなこたぁ分かってるわよクラゲっ! あたしが言ってんのはそういう意味じゃなくて!! その子は小っちゃくてもユウなのよっ!?」

「そうですよっ! どうしてわたしはダメで、ガウリイさんは良いんですかっ!?」



顔を赤くしているリナと、納得いかないとばかりに詰め寄るアメリア。

そんな二人に対し、ガウリイはユウを抱えたまま、いつものように、のほほんと答えた。



「ゼロスの知り合いだって言ったら、懐いてくれたんだ」



───と。



「……知り合いって」

「確かに間違いじゃ無いですけど……」



仲が良いとか悪いとか、そんな事は一切かまわず、ゼロスの知り合いと言うだけで懐いてしまう辺りはやはり子供である。



「じゃあ何でわたしには懐いてくれないんですか?」

「お前がゼロスは敵だと断言したからだろう」

「そんなぁ……」



後ろにドヨーンと暗い影を背負いながら、恨めしげにユウを見るアメリア。

対してユウは嬉しそうにガウリイの首に抱き着いている。

それからリナの方を見ると、再び首を傾げた。



「リナお姉ちゃんはゼロスお兄ちゃんの知り合い?」

「まぁ……腐れ縁って奴かしらね」



苦笑しながら答える彼女に、ユウはガウリイから手を離し、リナへと腕を伸ばす。



「お姉ちゃんもご挨拶ー」

「挨拶って?」

「ぎゅっ、てご挨拶」

「あぁ、なるほどね」



リナの首にぎゅーっと抱き着いたユウは、今度はゼルガディスへと視線を向け、同じ質問を繰り返す。



「ゼルお兄ちゃんは? ゼロスお兄ちゃんの知り合い?」

「まぁ……な」



その答えに、今度はゼルガディスの首に抱き着くユウ。



「お兄ちゃんもご挨拶ー」

「……あぁ」

「あーら、ゼルってば随分素直なんじゃない?」

「そ、そんな事は……」

「ズルいですよ、ゼルガディスさんっ!」

「と、おれに言われてもな」

「う〜、ユウさん。わたしもゼロスさんの知り合いですよっ!?」



しかし、そんな訴えも届かず。

伸ばしたアメリアの手からスルリと逃れると、ゼロスの元に走り寄り、ユウは首を振って嫌だと示した。



「おやおや……」

「諦めなさい、アメリア」

「そんなぁっ」

「とにかく今はユウを元に戻す事が先決よ」

「うぅ〜」



唸るアメリアはそのままに、リナは魔道書をめくり、本に目を通し始めた。

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