(5/7)

「魔法はどうやって覚えたんだ?」

「ディルが虫よけに教えてくれたの」

『…………虫よけ?』

「わたしには虫が寄りやすいんだって」

「ユウの家族ってどんな感じなんだ?」

「んとね、お母さんがりょうしゅ様で、お父さんがおう様なの」

「は?」

「ディルはわたしのこと守ってくれて、ユーリが遊んでくれて」

『………………』

「でもおきないと死にそうになるの」



ホットケーキを口に運びながら、一生懸命説明するユウ。

しかし、いまいち何が言いたいのかわからず、リナ達の頭の上には疑問符が浮かんでいる。



「えーと、お父さんとお母さんと兄弟が2人いるって事ですか?」

「んーん。みんないないよ」

『……………』

「いるのは、しんぷ様とディルとユーリと……たまに来る、ろりこんマゾのお兄ちゃんには近づいちゃ、めーなの」


「ロリコンマゾ?」

「うん。ディルが魔法で追い払いながらそう言ってた。ユーリもそのお兄ちゃんが来ると笑いながら剣で斬るの」

『………………』

「でね、きれいなのもらったけど、ディルとユーリがヘンタイがうつるからめーって言って、どっかにやっちゃった」



きれいだったのになぁとユウは少し残念そうに呟く。



「…………何か、ユウさんの周りにいる人って……」

「あまり関わりあいになりたくないわね」



リナの言葉にユウ以外の全員が深々と頷いた。



「それにしても、3歳児に聞こうとしたのが間違いだったようね……いまいち要領が得ないわ」

「ですね」

「取り敢えず一番の問題は、ユウを元に戻す方法だな」

「しゃーない。この魔道書しか手がかりが無いみたいだし、最初から洗い直してみましょ」



言って魔道書を調べ始めるリナ達。

対して、食事を終わらせ暇を持て余していたユウは、どこからともなく取り出した紙とペンで、絵を描き始めていた。

最初に紙いっぱいに大きな円を描き、それから訳の分からない物を描いていく。



「ふかい〜ふかい〜やみのそこ〜」



しかも歌つきである。

その様子を微笑ましく思いながら見ているゼロス。


───が。



「きんに〜きらめく〜おかあさん〜」

「…………」



何故かスルー出来ない単語が出てきて、ゼロスは固まった。

───今。

何と言った?

『金に煌めくお母さん』と言わなかったか?

いや、まさか。

でも。

最初に歌っていたのは『深い深い闇の底』。

それはつまり金色(こんじき)の───?

それに気付いた時。

ユウの描いていた魔法陣から光が溢れ出し、辺りは目映い光に包まれた。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+