「魔法はどうやって覚えたんだ?」
「ディルが虫よけに教えてくれたの」
『…………虫よけ?』
「わたしには虫が寄りやすいんだって」
「ユウの家族ってどんな感じなんだ?」
「んとね、お母さんがりょうしゅ様で、お父さんがおう様なの」
「は?」
「ディルはわたしのこと守ってくれて、ユーリが遊んでくれて」
『………………』
「でもおきないと死にそうになるの」
ホットケーキを口に運びながら、一生懸命説明するユウ。
しかし、いまいち何が言いたいのかわからず、リナ達の頭の上には疑問符が浮かんでいる。
「えーと、お父さんとお母さんと兄弟が2人いるって事ですか?」
「んーん。みんないないよ」
『……………』
「いるのは、しんぷ様とディルとユーリと……たまに来る、ろりこんマゾのお兄ちゃんには近づいちゃ、めーなの」
」
「ロリコンマゾ?」
「うん。ディルが魔法で追い払いながらそう言ってた。ユーリもそのお兄ちゃんが来ると笑いながら剣で斬るの」
『………………』
「でね、きれいなのもらったけど、ディルとユーリがヘンタイがうつるからめーって言って、どっかにやっちゃった」
きれいだったのになぁとユウは少し残念そうに呟く。
「…………何か、ユウさんの周りにいる人って……」
「あまり関わりあいになりたくないわね」
リナの言葉にユウ以外の全員が深々と頷いた。
「それにしても、3歳児に聞こうとしたのが間違いだったようね……いまいち要領が得ないわ」
「ですね」
「取り敢えず一番の問題は、ユウを元に戻す方法だな」
「しゃーない。この魔道書しか手がかりが無いみたいだし、最初から洗い直してみましょ」
言って魔道書を調べ始めるリナ達。
対して、食事を終わらせ暇を持て余していたユウは、どこからともなく取り出した紙とペンで、絵を描き始めていた。
最初に紙いっぱいに大きな円を描き、それから訳の分からない物を描いていく。
「ふかい〜ふかい〜やみのそこ〜」
しかも歌つきである。
その様子を微笑ましく思いながら見ているゼロス。
───が。
「きんに〜きらめく〜おかあさん〜」
「…………」
何故かスルー出来ない単語が出てきて、ゼロスは固まった。
───今。
何と言った?
『金に煌めくお母さん』と言わなかったか?
いや、まさか。
でも。
最初に歌っていたのは『深い深い闇の底』。
それはつまり金色の───?
それに気付いた時。
ユウの描いていた魔法陣から光が溢れ出し、辺りは目映い光に包まれた。
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