「ちょ、何だったのよっ!? 今の光はっ!!」
一番最初に聞こえたのはリナさんの声。
「敵って訳じゃなさそうだが……」
「目が見えませぇんっ」
「何なんだ一体……?」
次いでガウリイさんやアメリアさん、ゼルガディスさんの声が聞こえ。
最後に頭上からゼロスの声が聞こえてきた。
「いや〜、まさかユウさん自身が戻る方法を知っているとは思いませんでした」
見上げてみれば、意外にも近くにあるその顔。
彼はポリポリと後ろ頭を掻きながら、笑っていた。
「戻るって……ユウっ!?」
「……はい?」
ゼロスの言葉にいち早く反応をみせたリナさんは、コチラを見て驚きの声を上げる。
「どうやって元に戻ったのよっ!?」
「……何の事です?」
「覚えていないのか?」
ゼルガディスさんに問われ、私は記憶をたどってみる。
が、何の事だかさっぱり分からなかった。
「そう言えば、何で私食堂にいるんですかね?」
『………………』
その疑問に、皆からの呆れた視線が突き刺る。
「たく、元に戻れたから良いようなものの……」
「ホントですよ」
「で、お前はいつまでそうしているつもりだ?」
「は?」
言われて始めて自分の置かれている状況を確認。
…………って。
何で私、ゼロスの膝の上にいるの?
しかも見覚えのないワンピースを着てるし……。
さらにサイズが合ってないのか苦しい上に、スカートの丈が物凄く短かったりする。
「あーあ、ダメじゃないですか、ゼルガディスさん。折角ユウさん気づいてなかったのに……」
「知るか」
「えーと、何がどうなってこうなってるんですかね?」
「アンタがちっちゃくなってゼロスに懐いてたのよ」
「ちっちゃく……?」
「ユウさんたら酷いんですよ! 正義より悪を取ったんですっ!」
よく分からないが、皆に迷惑をかけたのは間違いなさそうだ。
私はゼロスから離れると、ペコリと頭を下げた。
「何やらご迷惑をお掛けしたみたいで、すみませんでした」
「あー、いいわよ。ここの食事代でチャラにしてあげる♪」
笑顔で述べるリナさん。
どうやら私に拒否権は無いらしい。
仕方なく、私は苦笑しながら頷いた。
「で、この本の事も覚えてない訳?」
「本……? あ、それ!」
一旦着替える為に部屋へと戻った私は、再度食堂の席についたと同時にリナさんに一冊の本を手渡された。
それは昨日私が買ったもの。
小さい頃に読んだことがあったのだが、懐かしくなって思わず買ってしまったのである。
「昔、これと同じ本を持っていたんですが、いつの間にか無くしちゃって……」
「あぁ……ありますよね、そういう事」
「…………そういえば、それを読んだ後は必ず周りの人が疲れた顔をしてたんですが……」
『………………』
「どうしてですかね?」
首を傾げる私に、顔を見合わせるリナさん達。
そして、コクンと一つ頷きあう。
「……ユウ」
「はい?」
「その本没収っ!」
「ぇっ!? どうしてですかっ!?」
「どうしてもこうしてもないわっ! アンタがこの本に関わるとロクな目に合わなさそうだからよっ!!」
「ロクな目って……」
「とにかく没収っ!!」
「そんなぁ……」
その後。
せっかく手に入れた魔道書はリナさんの手に渡り、店の外で放たれた火炎球によって、消し炭すら残さず燃やされてしまった。
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