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魔道士協会内にある図書室。

その扉の前で二人の男女は呆然と佇んでいた。



「困りましたね」

「お前さんが言うと、全然困ってないように聞こえるのは何でだろうな」

「……と言われましても」



ポリポリと頬を掻き、その後どうしたもんかと辺りを見渡す女に、男もつられて周りを見やる。

───だが。

窓すらないこの状況では、どうしようもないことが分かっただけだった。
























二人───と言うか、正確には五人がこの国に着いたのはお昼より少し前。

旅をする中でその方向性を決めるリーダー的存在のリナは、迷う事なく仲間にこう述べた。



「あたしとガウリイ、それにアメリアは王宮での聞き込み。ユウとゼルは魔道士協会での調査をお願いね!」

「え……?」

「わかりました」

「あぁ」



その言葉に、アメリア、ユウ、ゼルガディス。

三者三様の答えが返ってくる。

ちなみに、ガウリイがその様子をのほほんと見ているだけと言うのはいつもの事。

そして承諾した二人に対し、疑問の声を上げたアメリアはリナに向かって問いかけた。



「あの、どうしてお二人は別行動なんですか?」

「だってその方が効率がいいでしょ?」

「じゃ……じゃあ、私も協会で……」

「何言ってんの! あんたが居なくちゃ王宮で聞き込み出来ないじゃない!」



───と言うのは建前で。

実のところアメリアが居れば王宮で豪華な昼食にありつけると目論んでいたりするのだが、それはもちろん秘密。



「かと言って一人で行かせるのも忍びないから、あたしがついて行ってあげようって言ってんのよ!」

「それなら別にリナさんじゃなくても……」

「……何? アンタはあたしじゃ不満だってぇの!?」

「そ、そんなことはっ!」



ジト目で見やるリナに、アメリアは慌てて首と手を横に振る。

それを見たリナは大きな溜め息を吐き、



「大体ねぇ、王宮内にゼルみたいな怪しいのと一緒に居たら、聞ける話しも聞けないじゃない」

「お前な……」



そのストレートな物言いに、ゼルガディスはジト目で見遣る。

そんな三人のやり取りを見ていたユウは、アメリアの複雑そうな顔を見て微笑むと、冗談めかして言った。



「大丈夫ですよ、アメリアさん。ゼルガディスさんはちゃんと私が責任持って、無傷で皆さんの元に送り届けますから、安心してください」

「は、はい」

「それじゃ、話もまとまった事だし、ご飯……あ、いや……手がかり探しに行くわよ!」



一体いつ話がまとまったのか、リナは張り切って号令をかける。

それに対し、今の彼女に何を言っても無駄だと悟りきっているゼルガディスは、やれやれと嘆息しながら隣にいるユウへと呼び掛けた。



「行くぞ、ユウ」

「はい」



見ればリナ達も王宮に向かい歩き始めている。

ユウは三人を見た後、一人颯爽と反対方向に向かうゼルガディスの後を追いかけた。

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