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それは、ある日常の一コマ。

不意に訪れたその瞬間に───ひとつの疑問が生まれた。



「ユウさん、どうかしたんですか?」

「あぁ、いえ。リナさんとゼロスさんて良いコンビだなと思いまして」



アメリアさんの問いに微笑みながら答え、もう一度リナさん達へと視線をやる。

そこには理不尽な事を言っているリナさんと、それに対し泣き真似しているゼロスの姿がある。



「あの姿を見たらゼロスさんが魔族だなんて誰も思いませんよね」

「……ですよね」



幾分か怒りの含まれた語気は、彼を魔族と見破れなかった自分に対するものだろうか。

しかし、それも致し方の無い事のように思う。

魔族の強さのバロメーターとして、いかに人間に上手く化けるかというのがあるらしい。

その中で、おそらく彼は群を抜いている事だろう。

飲食をしたり、おちゃらけてみたり。

人当たりの良い笑顔を浮かべて、時に気まぐれからか人の心配をし、気遣いまでしたりして。

あまりにそれが自然すぎて、世界の滅びを求めている種族とは思えないほどに人間の生活を楽しんでいる様にも見える。

正義と魔族について語り出したアメリアさんの言葉を聞きながら、私はそんな人間臭い彼を眺め見た───。

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