「熱って……ユウさん、具合悪かったんですかっ!?」
「どうして言わなかったのよっ!?」
「ぁ……いえ、そんな大した事じゃ……」
「熱があるんだから、大した事あるでしょーが!!」
ぅ゛……。
そう言われると、反論できないのだが。
「でも本当に大した事は……」
「ほっほー、熱でふらついて立てないくせに、このあたしを謀ろうって訳?」
「そんなの正義じゃありません!」
「いや、そんなつもりは……」
リナさんとアメリアさんの二人に詰め寄られ、苦笑しながら後ずさる。
「いい加減、白状しなさい!」
「正直に言わないと、天罰が下りますよ!」
「おいおい、病人相手に脅すなよ……」
「これは説得です!」
「ユウが引いてる時点で、脅迫にしか見えんがな」
「んなこと言ったって、仕方ないでしょ。ユウが素直にならないんだから」
「そうですよ! 仲間である、わたし達を欺こうとするのが悪いんです!」
「だから、そんなつもりは……」
「……ま、それもそうだな」
「っ!?」
止めてくれるのかと思いきや、あっさり同意したゼルガディスさんは、こちらに向かって、すっと手を伸ばしてきた。
びくっと反射的に体が強張り、目を瞑る。
次の瞬間。
頭に、ぽふっとした感触が下りてきた。
「?」
ちらりと窺うように目を開ければ、ゼルガディスさんが口角を上げ、優しい眼差しで私を見ている。
あのゼルガディスさんが、である。
「心配かけたくないと思ったんだろうが、あまり無理はするなよ。辛いなら辛いと言えば良い」
「そーだぞ。ユウは普通の女の子なんだからな」
「ちょっと、ユウはってどーいう意味よ?」
「あ……いや。深い意味はなくてだな」
そこからはいつもの風景。
ぎゃあぎゃあと騒ぎ始めるリナさん達。
どこか懐かしくもある、そのやり取りに自然と笑みが零れた。
ALICE+