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「お帰り、ユウ」

「…………」



塔に帰る途中、待ち構えていた笑顔のユーリと無表情のディルに見つかり、私とゼロスは歩みを止めた。

どうやら留守番役のクレハはロクな言い訳も思いつかなかったらしい。

まぁ、最初からこの2人を騙せおおせるとは思っていなかったけど、せめて時間稼ぎくらい出来なかったものかと内心溜め息を吐く。



「ところで、ロリコン魔族君」

「あの、その呼び方は……」

「言いたい事はそれなりにあるんだけど、それより何よりどうしてユウは水浸しなのかな?」

「えーっと、それは……ですね」

「何か即答できないやましい事でもあるんですか?」

「いえ、そういう訳では……」

「まったく、君が身を引いた時は心底感心したんだけど、何あっさりノコノコ現れてくれちゃってるのかな?」

「貴方は意志を貫く事すらできないのですか」

「えーと……」



ゼロスに対してズケズケと遠慮なしに言い募る2人。

そんな彼らにゼロスは困ったように頬を掻いた。

まぁ、濡れ鼠になったのは私が湖にゼロスを道連れにしたせいだし、魔族の性質上、嘘を吐く事も出来ないのだろう。



「ゼロスは湖に落ちた私を助けてくれただけだよ」

『…………』

「だからお礼にお茶でもと思って誘ったの」



見かねて助け舟を出すと、2人の表情は何とも形容しがたいものになった。

渋いと言うか、苦々しいと言うか。

……まぁ、何と言うか、これは間違いなく嘘だとばれてるだろう。

私の嘘がばれている時、彼らは決まって複雑そうな顔をするのだ。

けれど彼らは深く言及せずにいてくれるらしい。



「……まぁ、事の真偽はさて置いて、とにかく今は早く帰ろうか」

「そうですね、今度はコチラ側が風邪をひいたとなれば目も当てられませんし」



言ってユーリは笑顔を、ディルは呆れ顔を浮かべたのだった。

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