『好きでも嫌いでもない』
ユウさんは2人がそう言うであろうと言っているが、果たして本当にそうなのだろうか?
別に彼らに好かれようとは思っていない。
好かれたいとも思っていない。
負の感情は大歓迎だし、何よりユウさん以外にどう思われようと気にはならない。
───けれど。
これから先、彼女と逢う度に邪魔をされるとなると考えものである。
人間の寿命はたかが知れている。
その中で一体、彼女と後どれ程の時間を共有できるだろうか。
共に過ごせるだろうか。
契約を交わし延命すると言う手もあるが、ユウさんがそれを良しとするとは思えない。
いっその事……邪魔なものを消してしまえれば。
一思いに、想いのままに。
全て───。
そこまで考えて、ふとユウさんが動く気配に、いつの間にか下がっていた視線を上げた。
そこには眠そうに眼を擦る彼女の姿。
思考に囚われ気づかなかったが、とうに時計の針は12時を回っていたようだ。
まだまだ話したい事はあるが今日はここまでにしておこう。
ユウさんには明日───いえ、今日大事な用がある。
寝不足の所為でそれが失敗に終わったとなれば、僕としても気まずくなってしまう。
折角また会えるようになったのに。
それは避けたい……切実に。
僕は気が進まないながらもユウさんに別れを告げると、そっとその部屋を後にした。
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