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僕はただ立ち尽くす事しか出来なかった。

ユウさんがあのお方の力を源にした術を完成させるのを。

彼女が僕に笑いかけるのを。

口付けるのを。

ただ、立ち尽くす他に出来ることは無かった。





そして。



そして彼女は消えた。

この丘から。

この場所から。

僕の目の前から。

光に包まれ、一瞬の内に。

消えてしまった。



そう、まるでここにユウさんという人間が初めから居なかった様に。

存在しなかったかの様に。

僕との出会いが無かったように。



けれど。

僕の手の中にあるそれが、彼女との繋がりが夢ではなかった事を。

幻ではなかった事を証明している。

彼女が何を思ってこの指輪を僕に託したのかは定かではないけれど。

この指輪だけがユウさんの存在を確かなものにしているようで、僕はぎゅっとそれを握りしめた。



光の中、淡い雪の様に消えていった、彼女の姿に想いを馳せて───。










あとがき

掴み所の無い、淡雪の様なアナタに恋をしました。

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