「嫌です」
始まりはあの日。
『彼女』の言葉にそう答えた時から。
───……否。
『彼女』が暇潰しを考え付いた時から動き出した。
「まぁまぁ、良いじゃないの。減るもんじゃ無いんだし」
「減ります、時間と気力と体力が」
『………………』
しばし二人の間に沈黙が流れるものの、彼女がそんな事を気にするはずもなく。
案の定、目の前の人物は、自分の思い描いた理想を叶える為だけに横暴な未来を掲げ上げた。
「そんな事言うんだったら世界を滅ぼしちゃうわよ? それでも良いの?」
「……そんな自分勝手な理由で滅ぼさないで下さいよ」
お気楽に言ってのける彼女に、私は呆れ果てることしかできない。
「そもそも何だって私がそんな一々しち面倒くさい事をしなきゃなんないんですか」
「面白そうだから♪」
「………………」
「それ以外に何があるって言うのよ」
言って髪を掻き上げ、なびかせる彼女。
……否、そんな言い切られても……。
「……それなら私じゃなくても良いじゃないですか」
「だってあたしと意志疎通出来る存在なんて、そうそう居ないし。ま、これも運命や使命だと思って」
…………嫌だ。
心底嫌だ。
だが、そう言った所で彼女は納得しないだろう。
彼女のパシりと、彼女への説得。
秤に掛ければどちらが面倒か一目瞭然である。
何だってこんな事に……。
私は諦めの気持ちと、精いっぱいの反感の意を込めて、深い深い溜め息をついた。
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