(2/4)

「………………」





───あれ?

いつの間に寝ていたんだろう……。

……術はちゃんと発動したはずだが……。

私はゆっくりと身体を起こし、辺りを見回した。

するとそこに。



「おはよう、やっとお目覚め?」



場違いなほどの笑みを浮かべた金髪美女が、私の目の前でゆったりと寛いでいた。



「術に集中しきれてなかった所為で意識を飛ばすなんて、馬鹿ねぇ」



あぁ、成る程。

寝ていた訳ではなくて、意識を失っていたのか……。



「ココにたどり着いたから良かったものの、下手したらあんた死んでたわよ?」

「………………」



それにしても起き抜けに、この言われようは無いと思う。

こんな事になったのは、彼女の所為なのに……。



「あら? 随分とご機嫌ナナメね。行く前はあんなに嫌がってたのに、そんなに戻って来たくなかったのかしら?」

「て言うか何やってんですか、人の部屋で」



意味ありげに笑う彼女に、私はジト目で見やる。

辺りを見渡せば私の部屋であることは間違いない。

そこで彼女は香茶を飲み、勝手にお茶菓子までだして暇を潰していたようだ。



「何って、あんたが帰ってくるのを待ってたのよ」

「…………で?」

「でって……何よ?」

「何の為に私は千年も昔にタイムスリップさせられたんでしたっけ、ロード様?」



なるべく嫌みに聞こえるように『ロード』と言うところに力を込めて発音する。

が、彼女はあっけらかんと答えた。



「仕方ないじゃない。あんたがあそこに居ても意味なかったんだから」

「……………………は?」



意味がないって……。



「どう言う事ですか、それ」

「どうって、そのままの意味よ。あの場所……って言うか、あの時間軸に居ても目当ての物は手に入らなかったって事」



それって……。

もしかしなくても……無駄骨……?

…………私の苦労って一体……。

その辺の事を色々突っ込んで聞いてみたいのは山々だが、そんな事を言って彼女を怒らせると後々面倒なので、ここはぐっと我慢する。

が、そんな私の忍耐を嘲笑う様に、彼女の要求は留まる事を知らない。



「だから、今度は違う時間にタイムスリップしてきてね♪」



簡単に言ってのける彼女。

その言葉に。

私は固まらずにはいられなかった。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+