結局のところ。
あらかた準備を終え、それから幾ばくもせずに、私は魔方陣の上に立っていた。
いくら『待ちくたびれない程度に』と言ったところで、彼女の短気さは身に染みて知っている。
「それじゃあ首尾良くね♪」
「どこの盗賊のお頭ですか、貴女は……」
呆れた眼差しを向けるも彼女はやはり気にした風もなく。
そして、さらりと私に一対の腕輪をくれた。
「魔力のこもったブレスレットよ。何かの役に立つでしょ」
「えっ……いいんですかっ!?」
「……何でそんなに驚くのよ」
「だって業つく張りのロードが人に何かを与えるなんて……イエ、何デモないデス。アリがたく頂戴イタシマス」
言ってる内にみるみる彼女の形相が変わり、私は慌ててお礼を述べる。
それから腕輪を受け取り、早速身に付けてみた。
ふと視線を上げると、そこにはいつもの不敵な笑いの彼女。
私はもう一度お礼を言うと頭を下げた。
そして。
私は本日2度目の空間移動の術を唱え始める。
───未だ見ぬ世界を想いながら。
あとがき
綾なし巡る
定め色の細い糸
やがて運命と呼ばれる糸は
本人の意思とは関係無く
目に見えぬ力に引き寄せられてゆく……───?
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