「……リナさんっ!?」
茂みを掻き分け、ひらけた場所に出ると、見知った顔に出会った。
道理で知った声がする訳だ。
何せ当人達なのだから。
顔を付き合わせているリナさん達を見て驚いていると、彼女達はこちらを見て、眉をしかめる。
「ぇ……と……あの、こんばんは?」
一斉に向けられた訝しげな視線にたじろぎながら挨拶をすると、アメリアさんはハッとしたような顔をリナさんに向け、慌てた声を上げた。
「まさかリナさん!? 一般人を巻き込んだんじゃあ……」
「や、やぁね! そんな事する訳ないじゃない!」
「あの……?」
「それじゃあもしかして、ここの盗賊団に捕まってたとかか?」
何の事か分からないまま、ガウリイさんに尋ねられ、私は「いいえ」と首を横に振る。
すると隣で見ていたゼルガディスさんに、確認するように問われた。
「じゃあ、その格好はリナの所為じゃないんだな?」
「ぇ……?」
言われて服を確認すると、結構酷い有り様だったりする。
マントは大きく破れているし、枝で引っ掻いた小さな傷が所々にあるし。
木から落ちた拍子に付いた土埃もそのままの状態で。
これは何かに巻き込まれたと思うのも無理は無い。
「と、取り敢えず……それはあたしの所為じゃ無いのは確かなのよね?」
「はい」
躊躇いがちに尋ねてくるリナさんに頷いて見せると、彼女はホッとしたように息を吐いた。
「それにしても、何だってあなたみたいな人がこんな時間こんな所に居たのよ?」
「それは……まぁ、色々事情がありまして。それに、そう言うリナさんはどうしてココに?」
「そうですよリナさんっ! 忘れるところでしたけど、いつもこんな事やってたんですかっ!?」
私の問いかけにアメリアさんが便乗し、怒りの形相でリナさんを見やる。
『こんな事』と言うのは盗賊いじめの事だろう。
辺りには焼け焦げたあとと倒れた盗賊達の姿。
その言及にリナさんは決まりが悪そうに頬を掻くと、明後日の方に視線をやりながら答えた。
「く……異界黙示録……クレアバイブルの情報を探してたのよ」
「っ!?」
「……リナさん、もしかしてゼルガディスさんの為に……?」
彼女の言葉に息を飲むゼルガディスさんと、感慨深い面持ちで呟くアメリアさん。
するとリナさんは彼女に一気に詰め寄り、怒涛の勢いで捲し立て始めた。
「あぁあっ!? 違う違う違うっ!! あたしが欲しかったのっ!!」
顔を赤らめながら全力で否定する姿は、照れ隠し以外の何物でもないと思う。
そんな彼女は人差し指を立て、神妙そうな顔つきで言葉を続けた。
「良い? 盗賊団のお宝と情報って馬鹿にできないのよ! お目当ての物を探すには結構確実なんだから!」
そう彼女が言いきった時。
ぱちぱちぱちぱち……。
どこからともなく手を叩く音。
そして……───これまた聞き覚えのある声が、空から降ってくる。
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