(2/6)

「……リナさんっ!?」



茂みを掻き分け、ひらけた場所に出ると、見知った顔に出会った。

道理で知った声がする訳だ。

何せ当人達なのだから。

顔を付き合わせているリナさん達を見て驚いていると、彼女達はこちらを見て、眉をしかめる。



「ぇ……と……あの、こんばんは?」



一斉に向けられた訝しげな視線にたじろぎながら挨拶をすると、アメリアさんはハッとしたような顔をリナさんに向け、慌てた声を上げた。



「まさかリナさん!? 一般人を巻き込んだんじゃあ……」

「や、やぁね! そんな事する訳ないじゃない!」

「あの……?」

「それじゃあもしかして、ここの盗賊団に捕まってたとかか?」



何の事か分からないまま、ガウリイさんに尋ねられ、私は「いいえ」と首を横に振る。

すると隣で見ていたゼルガディスさんに、確認するように問われた。



「じゃあ、その格好はリナの所為じゃないんだな?」

「ぇ……?」



言われて服を確認すると、結構酷い有り様だったりする。

マントは大きく破れているし、枝で引っ掻いた小さな傷が所々にあるし。

木から落ちた拍子に付いた土埃もそのままの状態で。

これは何かに巻き込まれたと思うのも無理は無い。



「と、取り敢えず……それはあたしの所為じゃ無いのは確かなのよね?」

「はい」



躊躇いがちに尋ねてくるリナさんに頷いて見せると、彼女はホッとしたように息を吐いた。



「それにしても、何だってあなたみたいな人がこんな時間こんな所に居たのよ?」

「それは……まぁ、色々事情がありまして。それに、そう言うリナさんはどうしてココに?」

「そうですよリナさんっ! 忘れるところでしたけど、いつもこんな事やってたんですかっ!?」



私の問いかけにアメリアさんが便乗し、怒りの形相でリナさんを見やる。

『こんな事』と言うのは盗賊いじめの事だろう。

辺りには焼け焦げたあとと倒れた盗賊達の姿。

その言及にリナさんは決まりが悪そうに頬を掻くと、明後日の方に視線をやりながら答えた。



「く……異界黙示録(クレアバイブル)……クレアバイブルの情報を探してたのよ」

「っ!?」

「……リナさん、もしかしてゼルガディスさんの為に……?」



彼女の言葉に息を飲むゼルガディスさんと、感慨深い面持ちで呟くアメリアさん。

するとリナさんは彼女に一気に詰め寄り、怒涛の勢いで捲し立て始めた。



「あぁあっ!? 違う違う違うっ!! あたしが欲しかったのっ!!」



顔を赤らめながら全力で否定する姿は、照れ隠し以外の何物でもないと思う。

そんな彼女は人差し指を立て、神妙そうな顔つきで言葉を続けた。



「良い? 盗賊団のお宝と情報って馬鹿にできないのよ! お目当ての物を探すには結構確実なんだから!」



そう彼女が言いきった時。

ぱちぱちぱちぱち……。

どこからともなく手を叩く音。

そして……───これまた聞き覚えのある声が、空から降ってくる。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+