「いや〜、僕は感服しました」
そこに居たのは言わずと知れた、黒い神官服を身にまとった彼。
───……ゼロス。
と言うか、私が一旦帰った意味ってあったんだろうか?
皆さん勢揃いなんですけど……。
「流石は盗賊キラーと名高いリナ=インバースさん。もうその事に気付くとは」
そんな思考を巡らせていると、彼は淡々と話を続け、朽ちた柱の上から飛び降り一回転。
十点満点の着地をしたと同時に顔をずずずいっとリナさんに近づけ、話し続ける。
「いや〜、密かにあとを追ってきた甲斐がありました。僕も故あって異界黙示録を探している身。宜しければ僕の追ってる盗賊からクレアバイブルの写本を取り戻して頂きたいと思いまして」
あぁ……上司命令ってこの事だったんだ。
彼の言葉に、私は前の時軸で初めてリナさん達と遭遇した時の事を思い出していた。
隣ではガウリイさん達が驚いているけど。
………………ん?
何で今更彼等が驚くのだろうか?
思えば、ゼロスが事の経緯を今になって話していると言うのも、おかしな話だ。
不思議に思いつつ彼らを見渡すと、そこには緊迫した空気が広がり、聞こえるのはリナさんが放った火炎系呪文の残り火が爆ぜる音。
そんな奇妙な空気の中。
事の次第を確かめるべく、私は彼に呼び掛ける。
「……ゼロス……さん?」
ただ一言、彼の名を。
するとゼロスからの反応より早く、リナさんは私に向かって言った。
「あなた、アイツを知ってるの?」
───と。
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