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「ちょっと……今の話どう思う? アメリア」

「解りません……でも嘘を付いてるようにも見えませんでしたよ?」

「そうよね……それにどっちかって言うとあっちの方が怪しいし。一応人の良さそうな顔してると思うけど……」

「自分の事を謎の神官(プリースト)と言い切っちゃう辺り、怪しさ大爆発ですよね!」

「だよねだよね!」



顔を付き合わせるようにコソコソと話すリナさんとアメリアさん。

しかしながらここは狭い山小屋。

全部筒抜けだったりする。

そして謎の神官はと言うと、薪をくべながら楽しそうにその様子を眺めていた。



「でもよ、写本の在りかを教えてくれるって言うんだから悪い奴じゃないんだろ?」

「あのねぇ、その写本が本物って保証はどこにも無いのよっ!?」

「それならご心配には及びません」



『うわっ!?』



話の途中でずずずずいっと顔を近づけてきたゼロスに、驚きの声が上がる。

勿論私も例外ではない。

突然の事に心臓がバクバクいっている。

そんなコチラの都合もお構いなしに、彼は淡々と続けた。



「僕が追っている写本は、代々異界黙示録(クレアバイブル)の写本を管理してる由緒正しき、とある寺院から盗みだされた物なのです」

「……じゃあ何だってアンタが、その盗まれた写本を追ってる訳?」

「私はその寺院につかえる神官(プリースト)ですから……」



そこでリナさんから顔を離し、ゼロスさんは苦笑する。



「……寺院の名誉にも関わる事。出来ることなら事を荒立てずに取り返したいと……腕の立つ方々を探していたのです」

「まぁ、一応筋は通ってるか」



考え深げに呟くリナさん。

───……しかし。

人の事はあまり言えないが、あのゼロスがここまですんなり話してくれると逆に疑わしく思ってしまう。

そんな事を思った矢先。

パンッと手を打ち鳴らすと、ゼロスは言った。



「という風な話をすれば信じて下さいますか?」



ドカッ!!

その場にコケるリナさん達。

かく言う私もそんな様子を見て、額に汗していたりするのだが……。





……やはり彼は一筋縄ではいかないらしい。


















あとがき

継ぎ糸。

再び出逢う為に、
彼等の糸は絡まり始める。

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