「ゼルガディスさん……」
「くぁー!! もう本当に自分勝手なんだからっ!!」
小屋から出ていってしまった彼を見て憤慨するリナさん。
この頃はまだ、ゼロスとゼルガディスさんの仲って良くなかったんだ。
まぁ、前に会った時も良かったとは言い難いけど。
そんな事を思っていると、リナさんがゼロスに向かって提案をした。
「いいわ、ゼロス。要はその盗賊団に忍び込んで、写本の在りかを探れば良いのね? ただし!」
「ただし?」
「あなたに協力するのは異界黙示録の写本を手に入れるまで。その後の事までは、あたしも保証しないわ」
言い切るリナさんに、ゼロスは「良いでしょう」と了承する。
その瞬間。
彼の笑みが意味ありげな物に変わった様に見えた。
けれど一瞬だったその笑みに、真意を確かめる術はない。
リナさん達は気付いていなかったみたいだし。
それに、もしかしたら私の見間違いかもしれない。
「そうと決まれば、早速盗賊団のアジトへ案内して! 竜の牙だか、ドラゴンヘッドだか知らないけどね」
「おしいっ! 盗賊団の名は、登竜結団マッチョバトラー!」
笑顔でやり取りをする彼らを見ていると、そんな気がする。
あれは薪の炎が見せた、幻影だったんじゃないかと。
───そして。
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