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「うわ〜、リナさん。やっぱり危ない人達です」



マッチョな盗賊団員を見て、アメリアさんはドン引いていた。

対してリナさんはやる気満々で私達を叱咤する。



「ここまで来たらジタバタしない! 作戦通り行くわよアメリア! ユウ!」



リナさんの言葉に、私は縄で縛られたまま、ガックリと項垂れた。















───あの後。

ゼロスは「他に用があるので失礼します」と、何処かへ行ってしまった。

人に面倒事を押し付けておいて、自分は知らん顔だなんて随分とご都合の宜しい事で。

まぁ、それでこそゼロスと言う気がしないでもないけど。



「良い? あたしとガウリイがあんた達を人質として盗賊達に差し出すから、敵のお頭から写本の在りかを聞き出す頃合いを見計らって、騒ぎを起こしてちょうだい」

「わかりました!」

「って、ちょっと待ってください!」



写本の在りかを探る為にアジトへ侵入する計画を企てるリナさんに、私は慌てて待ったをかけた。



「何よ?」

「『あんた達二人』って私も人質ですかっ!?」

「だってあんたも写本を手に入れたいのは一緒なんでしょう?」

「ぅ……それは、そうですが……」

「なら、ユウにとっても悪い話じゃないと思うけど?」



……それはそうなのだが。

何と言っても一緒に行動するにあたり、嫌な前例がある。

それに、



「……見ず知らずの私を連れて行っても良いんですか?」



ゼロス程ではないにしろ、リナさん達から見れば私も怪しいということに変わりない。

その私を一緒に行こうと誘うリナさん。

被害云々をさて置けば、願ってもない話だ。



「あぁ、その事なら大丈夫よ。アメリア一人じゃ心配だし、何よりあたし、人を見る目はあるからね♪」



言ってウィンクする彼女。

その答えに、私は思わず小さく微笑んでいた。



「よし! そうと決まれば早速出発しましょうか」

「それは良いんだが……」

「何よガウリイ、なんか気になる事でもあるの?」

「えーと……ユウって言ったか?」

「はい?」

「乗り込むとか以前に、その服なんとかした方がいいんじゃないか?」

「そうですね……ボロボロですし……」



ガウリイさんの言葉に、少しばかり言いにくそうに同意するアメリアさん。

それにリナさんが、不思議そうな顔をして続けた。



「それにしても、一体何があればそんな事になるのよ?」

「えーと、まぁ……ちょっとした不注意で……」

「ちょっとでそこまでなる?」

「ま……まぁ、取り敢えず今は私の事よりも写本が先……でしょう?」



本当のことを言うのもはばかられ、私は苦笑しながらそう言った。



「まぁ、ユウがそう言うならそれで良いけど……でも服はどうするのよ?」

「あぁ、それなら修復しちゃうんで問題ないです」

「って今から縫うつもりっ!?」

「……まさか。こうするんですよ」



驚くリナさんに苦笑しながら、私はぽそりと呪文を唱える。



過ぎ去りし時を呼び戻し……────



「……っと、こんな感じでいかがでしょう?」

「スゴイっ!! リナさん、あっという間に綺麗になっちゃいましたよっ!?」



クルリと背を見せるとアメリアさんから称賛の声が上がった。

その隣ではリナさんが訝しげな表情で食い入るように見ている。

そして何も言わないでいると、リナさんは突如パンッと手を打ち鳴らし、続け様に恐ろしいことを口にした。



「よし決めた! 今日からユウはあたしの便利なアイテムその4よ!」

「ぇ゛?」

「そうと決まれば、話しは早いわね!」

「ちょっ、ぇ? まっ!?」



あんまりな彼女の提案に待ったをかける暇もなく、



「早速『マッチョバトラー』盗賊団のアジトにしゅっぱ〜つ!」

『おぉっ!!』





───かくして。



「私ついて行くなんて一言も言ってませんっ!」

「つべこべ言わずついて来るっ!! あ、ガウリイ。ユウをふん縛っといて♪」

「ぇえっ!? 良いのかっ!?」

「人質役なんだからその方が怪しまれないでしょ?」

「あぁ、成る程な」

「成る程じゃないですよっ!!」



かくして。

私はまたもや自分の意思に反して騒動に巻き込まれる事となる……。

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