「どぉおりゃああぁっ!」
突然の侵入者に斬りかかる盗賊。
それに向かい打つゼルガディスさんは苦戦する様子もなく、なんの盛り上がりも無しに簡単に返り討ちにしてしまった。
「安心しろ、峰打ちだ」
振り向き様、倒れた盗賊にそう告げるが……。
「……ん? すまん、この剣は両刃だった……」
思わず突っ込みを入れたくなるが、それよりも先にリナさんの文句が飛ぶ。
「こらゼルーッ!! あんた、さては最初から抜け駆け狙ってたわね!? 別行動のフリして、あたし達のあとをつけてたんでしょうがっ!!」
「悪く思うな……事、この件に関しては譲るつもりはない」
言って彼は剣を鞘に戻すと写本を手にし、隠し部屋から出ていってしまった。
「ちょっと!! ゼルッ!?」
すると事の詳細を見ていたゼロスは「おやおや……」と呟き、私が彼へと視線を移した途端。
「不味いですね、コレは……」
そんな言葉を残し、その場から消えてしまった。
「え? えっ!?」
「……消えちゃいましたね」
目をぱちくりとさせるリナさんに現状を呟けば、彼女は心底不思議そうな顔をする。
そう、間違いなく消えてしまったのだ。
私達の目の前から。
突然。
「……どういう事?」
「さすが謎の神官と名乗るだけの事はあるって事ですかね」
「いや、そーじゃなくて!」
「取り敢えず今はゼルガディスさんを追いましょうか」
「はっ!? そうだった!! 写本ッ!!」
リナさんはハッとし、私達は写本……もとい。
写本を手にしたゼルガディスさんを追いかけ始めたのだった。
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