賑わう街の一角で。
「どうしてアンタ達はそんな聞き分けの無い事ばっか言ってくれちゃうのよっ!?」
「リナさんが勝手すぎるんです! 少しはわたし達の意見も聞いてくださいッ!!」
周りを気にする事なく言い争う声を響かせているのは、リナさんとアメリアさん。
「なぁ、この際どっちでも良いじゃないかよ」
ガウリイさん。
私もその意見に賛成です。
けれど今回の状況はそれで治まらなかった。
ゼルガディスさんまでもが断固として考えを譲らないのである。
「だったらリナに……」そう言うガウリイさんに、ゼルガディスさんは真っ向から対抗する。
「いや、ガウリイ。この機会にハッキリと言わせてもらおう。おれは別にリナの意見に従う義理はない」
「そりゃオレだってそうなんだが、ここはリナの意見が正しいと思うぞ?」
「そんな事はありません! リナさんはただただ自分の好みを言っているだけですッ!!」
「好みでもの言ってんのはアンタ達でしょう!? あたしはしっかり事前調査をした上での結論なのよ!!」
互いに自分の主張を譲らず、言い合う四人。
まさに押し問答。
……そんな争う程の事じゃないだろうに。
呆れる私を他所に、彼女達は更に白熱していく。
「調査ならコッチだって済んでいる」
「そうです! このアトラス・シティの名物料理と言えば……」
「ニョヘロンの焼肉っ!!」
「ニャラニャラの鍋ですっ!!」
ビシッ!と音が聞こえそうな勢いで食堂の看板を指差す二人。
その言葉に。
言い争いの原因に。
喧嘩を見ていた野次馬達の輪に、冷たい風が通り過ぎていった。
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