「それにしても没収されたハルシフォムの屋敷か……良い目の付け所だな」
「そうかぁ? 何でここが」
「魔獣の被害の真っ只中にあって、ここの一角だけ見事に無傷ってのは、はっきし言って不自然じゃない? 勘だけって言われりゃそうだけどさ」
気を取り直し、元理事長の屋敷を調べることにした私達。
すると、ガウリイさんは早速何かを感じとったらしい。
「いや、当たってそうだぜ? その勘」
「そんな所に隠れてないで、出てらっしゃい!」
彼の言葉を聞くや否や、リナさんは確信を持って走りだし、屋敷の扉を蹴破った。
そこで私達が見たのは、
「……え?」
「えーい、おのれ……」
「うぅ……」
「タリムとデイミア……あんた達一体っ!?」
そう、そこに居たのは昨日の夜まで魔道師協会の牢の中にいた二人。
タリムさんとデイミアさん。
それも何故か石化しかかった状態でそこに居たのだ。
そして彼らに事情を聞くより早く、階段の上から声が降ってきた。
「身の程知らずに、わたしを追放になどするからです」
「っ!?」
声の方を見てみると、白い称号の服に身を包んだ男の人が、手に光を集め今まさに解き放とうとしている所だった。
咄嗟にリナさんが火炎球をぶつけ、相殺させたお陰で事なきを得たが……。
自分の家でいきなり呪文をぶっ放してくるとは、どういう神経してるんだろうか?
……建物の中で火炎系の術を使うリナさんもリナさんだけど。
「流石……わたしの邪魔をして下さっただけの事はあって、腕は確かですね」
「アイツだ! アイツがハルシフォムだっ!!」
タリムさんが階段を降りてくる男の人を指して警告してくれる。
私達はなるべく一ヶ所に固まり、彼───ハルシフォムと相まみえた。
「はじめまして。もっともわたしは、わたしの計画を潰そうとしたあなた方の顔、良く存じていますがね」
「なるほど。あの趣味の悪いのが、あんたの復讐って訳」
「出来れば他人を巻き込まないで欲しいんですけどねぇ」
「ふふふふっ」
リナさんと私の軽口にハルシフォムは嘲笑し、緊迫した空気が辺りを覆う。
そんな中、
「ちょっと待ったーーーっ!!」
響き渡ったのはアメリアさんの声。
彼女はハルシフォムを指差し、真剣な口調で切り出した。
「リナさん、この人偽物かもしれませんよっ!?」
『えぇっ!?』
「天の道理に背き、世を騒がす極悪人は大抵『黒い服』を着ているもんですっ!!」
驚く皆をよそに、アメリアさんは再度ビシッとハルシフォムに指を突き付ける。
───その直後。
空気を読まない彼女の頭の上に、ゴンッとゼルガディスさんの拳が落ちた。
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