(6/8)

「それにしても没収されたハルシフォムの屋敷か……良い目の付け所だな」

「そうかぁ? 何でここが」

「魔獣の被害の真っ只中にあって、ここの一角だけ見事に無傷ってのは、はっきし言って不自然じゃない? 勘だけって言われりゃそうだけどさ」



気を取り直し、元理事長の屋敷を調べることにした私達。

すると、ガウリイさんは早速何かを感じとったらしい。



「いや、当たってそうだぜ? その勘」

「そんな所に隠れてないで、出てらっしゃい!」



彼の言葉を聞くや否や、リナさんは確信を持って走りだし、屋敷の扉を蹴破った。

そこで私達が見たのは、



「……え?」

「えーい、おのれ……」

「うぅ……」

「タリムとデイミア……あんた達一体っ!?」



そう、そこに居たのは昨日の夜まで魔道師協会の牢の中にいた二人。

タリムさんとデイミアさん。

それも何故か石化しかかった状態でそこに居たのだ。

そして彼らに事情を聞くより早く、階段の上から声が降ってきた。



「身の程知らずに、わたしを追放になどするからです」

「っ!?」



声の方を見てみると、白い称号の服(デイグリー・ローブ)に身を包んだ男の人が、手に光を集め今まさに解き放とうとしている所だった。

咄嗟にリナさんが火炎球(ファイアー・ボール)をぶつけ、相殺させたお陰で事なきを得たが……。

自分の家でいきなり呪文をぶっ放してくるとは、どういう神経してるんだろうか?

……建物の中で火炎系の術を使うリナさんもリナさんだけど。



「流石……わたしの邪魔をして下さっただけの事はあって、腕は確かですね」

「アイツだ! アイツがハルシフォムだっ!!」



タリムさんが階段を降りてくる男の人を指して警告してくれる。

私達はなるべく一ヶ所に固まり、彼───ハルシフォムと相まみえた。



「はじめまして。もっともわたしは、わたしの計画を潰そうとしたあなた方の顔、良く存じていますがね」

「なるほど。あの趣味の悪いのが、あんたの復讐って訳」

「出来れば他人を巻き込まないで欲しいんですけどねぇ」

「ふふふふっ」



リナさんと私の軽口にハルシフォムは嘲笑し、緊迫した空気が辺りを覆う。

そんな中、



「ちょっと待ったーーーっ!!」



響き渡ったのはアメリアさんの声。

彼女はハルシフォムを指差し、真剣な口調で切り出した。



「リナさん、この人偽物かもしれませんよっ!?」

『えぇっ!?』

「天の道理に背き、世を騒がす極悪人は大抵『黒い服』を着ているもんですっ!!」



驚く皆をよそに、アメリアさんは再度ビシッとハルシフォムに指を突き付ける。

───その直後。

空気を読まない彼女の頭の上に、ゴンッとゼルガディスさんの拳が落ちた。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+