そんな微笑ましい様子を見て少しも笑わず、ハルシフォムは言う。
「あなた方には、わたしの実験に付き合ってもらい、生体エネルギーを提供して頂きます」
「生体エネルギー?」
「丁度タリムとデイミアだけでは足らないと思っていたところでして」
「人を実験材料にする気っ!?」
「えぇ、楽に死ねますよ」
……そう言われてハイそうですか、と提供できるものでもない。
どうやらこの人、希に見るほどの自己中らしい。
「わたしも忙しい身。手間は取らせません」
言って自己中男は火炎球を解き放つ。
いくら広さがあるからと言って自分の家で火炎球……。
本当、どういう神経してるんだか。
まぁ、人を実験に使う事を考えるような人間が、まともであるハズはないんだけど。
それにしたって、下手をすれば自分の身も危ないって言うのに。
火炎球を避けつつそんな事を考えていると、今度はリナさんがハルシフォムに向かって火の矢を解き放つ。
言葉通りの炎の矢は真っ直ぐに彼へと飛んでいき、
バシュッ……!!
とハルシフォム自身に当たり消え去った。
「ふっ……」
「えぇっ!?」
「っ……!?」
私達の驚きをよそに、火の矢が直撃したはずのハルシフォムはそこに無傷で佇んでいる。
確かに当たったのに……。
「もうっ、タフな奴!」
こうなったら、手加減抜きで行くしかない。
「烈閃槍!」
「轟風弾!」
リナさんの後に術を解き放ち、そして更にゼルガディスさんがダメ押しをする。
「魔竜烈火咆!」
って、その術はいくら何でもッ!?
魔竜王ガーヴの力を借りた術で、飛竜を一撃で消し炭に化すことも出来る技。
リナさんも流石にやりすぎだと思ったのか、汗しながら彼に言う。
「ちょっとゼル! いきなり魔竜烈火咆は過激じゃ……はっ!?」
けれど。
リナさんと私、それに桁外れのゼルガディスさんの術をまともに受けて尚。
ハルシフォムは悠然とそこに佇み、あまつさえ笑いだしたのだった。
あとがき
ただ中。真ん中。中心。
やがて物語は徐々に核心へと進み行く。
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