こうなりゃヤケだ。
最後まで付き合ってあげようじゃないの。
半分以上自暴自棄になりながら、私はゼルガディスさんの後ろから部屋の外の様子を窺っていた。
すると、それまで黙っていたアメリアさんが突如として切り出す。
「ダメです! ゼルガディスさん、ユウさん、こんな所に潜んでいては。ここは一気に決着をつけるべきです!」
「決着……って言っても」
「奴を相手にどうやって」
「正義の心と勇気を持って!」
渋る私達に彼女は、瞳に熱い炎を揺らめかせ答える。
心と勇気ねぇ……。
「具体的には?」
「ですから、正義を愛する心に火を付けて!!」
「……実際に打つ手は?」
「もちろん! 胸に燃えたぎる正義の炎で悪を焼き尽くすのですっ!!!!」
「あのなぁっ!!」
我慢できずに突っ込むゼルガディスさん。
そんな彼に私はそっと労いの言葉を掛けた。
「……大変ですね」
「分かってくれるか」
「えぇ……まぁ」
私も振り回されるのには慣れている。
……自慢できることではないが。
そんなやりきれない自分の人生に打ちひしがれていると、突如として部屋の扉が突き破られた。
ドガアァッ!!
そこからリナさんとガウリイさんが床に叩きつけられるように入ってくる。
「リナさんっ!?」
「誘蛾弾!」
驚きの声を上げるアメリアさんをよそに、リナさんは立ち上がりざまに術を解き放った。
それは火災消化用の術を発展させたもので、続けて攻撃を仕掛けてきたハルシフォムの火炎系の術を見事に相殺させる。
「やってくれますね……あなた達の魔力が強いのは嬉しいのですが、私も忙しい身。あまり時間をかけてもいられないのですよ」
「だからってハイそうですかって実験材料になれるかぁッ!!」
消え行く煙の中から、ゆっくりと近づいてくるハルシフォムに向かってガウリイさんは走り出す。
その手には───光の剣ッ!?
何でそんなものがココにっ!?
思う内にも皆は呪文を唱え、次々に力ある言葉を解き放つ。
「烈閃槍!」
「烈火陣!」
「振動弾!」
私も次に備えて呪文を紡ぎ、その間にガウリイさんがハルシフォムへと切りかかった。
「たぁっ!!」
直接切りつけられ、流石に倒れるハルシフォム。
けれど。
彼はものの数秒で、ゆらりと再び立ち上がった。
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