「ふっ……」
「ちくしょーっ! 本当に死なねぇぞコイツ!! 何か手はないのかっ?」
「……無い訳じゃないけど」
「何ぃ!? 直ぐそれをやれっ!!」
リナさんの言葉に、ガウリイさんは彼女を持ち上げハルシフォムの前に付き出した。
しかし、そんな簡単に出来るものならとっくに試していただろう。
その考えを肯定するように、リナさんは手足をばたつかせた。
「契約の解除には色々条件があってすごく難しいのよっ!!」
そうこうしている内にもハルシフォムは術を唱え終え、
「火炎球」
彼の解き放った赫い光球は真っ直ぐこちらに飛んでくる。
しかし、床に着弾したその瞬間。
「炎裂壁!」
私の放った対火呪文で、炎はこちらに届く前に、見えない壁に阻まれた様に左右に流れた。
先程からハルシフォムが火炎系の攻撃呪文を多用していたので、次もそう来るだろうと準備していたのが幸いした。
けれど、直撃こそしなかったとは言え、こんな狭い部屋の中での爆発を完全に防げたわけではない。
回り込んできた熱気や炎もあり、部屋の中は結構酷い有り様になっていた。
「ふっふっふっふっふっ……」
「く……」
ハルシフォムの余裕の笑いに、リナさんは呻き───とその時。
彼女の足許でパリン……と何かが響く音がした。
見ればそれはガラスの破片で。
「この手ならいけるかも……っし、ダメ元よ」
リナさんは小さく呟き、何かを決意したと同時にハルシフォムの前に躍り出た。
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