「ところでゼロス」
「はい?」
「あんた妙にユウの事を気にかけてるけど、どう言う風の吹き回しな訳?」
そのあたしの言葉に、アメリアも続く。
「そう言えば2日前の夜もユウさんと二人きりでお話ししてたみたいですし」
「へぇー? 一体何を話してたんだ?」
「コイツの事だ、どうせロクなことじゃないだろう」
「嫌ですねぇ、皆さん。変な勘繰りは止めて下さいよぉ」
情けない声を出すゼロスに、あたし達は更に畳み掛ける。
「怪しいわね……もしかしてゼロス」
「はい?」
「えっ!! もしかして、もしかしちゃうんですかっ!?」
「は?」
「そっかー、ゼロスがなぁ。うんうん、もしかしちゃうのも良いんじゃないか?」
「え……あの?」
「お前がもしかする事があるなんて驚きだが……」
「もしもし……? 一体何の話を……?」
『一目惚れ』
期せずしてハモったあたし達の声に、ゼロスは額に汗して言った。
「皆さん、僕がどう言った存在だかご存じですよね?」
「当たり前じゃない。でも魔族が恋しちゃ駄目だって言うのも聞いた事ないし」
「それにこれは根性悪魔族が更正するチャンスですっ!! 今は悪の道まっしぐらのゼロスさんも、恋をしたら正義の心が芽生えるかもしれませんよっ!?」
芽生えん芽生えん。
まぁ、魔族が恋だなんて冗談は置いといて。
「で、結局どう言うつもりなのよ?」
そう真面目に問えば、ゼロスは右手の人差し指を口の前に立て言う。
「秘密です♪」
「………………」
あぁ、そう。
こういう奴よね、コイツって。
そして。
これ以上の詮索は無理と悟ったあたし達は彼女───ユウの居る部屋へと歩みを進めたのだった。
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