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さて、話しがどんどん違う方へ行ってる気がするのだが。

屋敷内を探し回るリナさん達を見て、手を動かしてるフリをしながら私は思う。

そもそも初めはタリムさんとデイミアさんの争いが原因で。

でもそれは追放されたハルシフォムが二人を陥れようと仕掛けた罠だった。

それが上手く行かなかったからと魔獣騒ぎを起こし、生体エネルギーを奪う為に二人を石化した。

………………。

何だろう……何か釈然としない。

二人への復讐と生体エネルギーの話が飛躍しすぎてる気がする。

それなら元々別の目的があって、その目的の為に生体エネルギーが必要になった。

だから復讐ついでに二人を……。

その方がいくらか辻褄が合うような気がする。

ではその目的とは?

それに、いつの間にか居なくなったゼロスも気になる。

……一体何しに出てきたのだろうか?

彼が来た理由は一つ。

『良い事=魔族と不死の契約を交わした者の倒し方』をリナさんに教えに。

しかし……あのゼロスが親切心からその為だけに現れるだろうか?

何の見返りもなく、わざわざ契約の石の事をリナさんに教えに?

……何か彼らしくない。

そんな事を思っていると、頭上からアメリアさんの叫び声が響いた。



「うわぁーっ!? うわっ!! 酷いリナさん! 何て事をっ!?」



見上げれば天井裏によじ登ってるアメリアさんの姿と、横倒しにされた脚立。

どうやらリナさんが脚立を倒したらしい……。



「丁度良いわ、あんたそのまま天井裏の探索ね!」



そう指示を出すなり、リナさんはくるりと振り向く。



「はーい、男共二人! サボってないで、ちゃっちゃとねっ!!」

「仕切んなよオメェ……」

「何言ってんの。少しはユウを見習いなさいよ。文句も言わず黙々と手を動かして……って、何やってんの? ユウ」

「え……? えーと、日記を読んでます」

「あのねぇ! 今はそんなものより契約の石でしょうがっ!!」



そんな事を言われても。

契約の石がどんな形をしているか解らない以上、探しようもない。

かと言って、そう言ったが最後。

アメリアさんの二の舞になる事は目に見えている。

どうしようかと考え、そうこうしている内に意外なところから助け船が出た。



「……その日記、誰の物だ?」

「え? あ、もしかしてハルシフォムのっ?」



ゼルガディスさんのその言葉に、リナさんは日記へと興味を示す。

きっと彼女はコレに契約の石の事が書かれているとでも思ったのだろう。

しかし残念、これは───。



「いえ、女の人の物みたいです」

「…………あっそぅ」

「でも意外ですよね。あのハルシフォムという人が女の人の日記を大切に保管してるなんて」



ペラペラと捲りながら私は言う。



「それにこの日記、ある日を境に途絶えてるんです」

「…………それって」

「ま、書くのに飽きただけなのかもしれませんけどね」



肩を竦める私。

けれど、彼が持っていた事を考えると……。

私はそれ以上何も言わずにパタン……と表紙を閉じ、元の場所へ戻した。



「その女の人って……もしかしてこの人じゃない?」

「……かもしれませんね」



リナさんが指し示したのは暖炉の上に飾られた、一枚の肖像画。

そこには赤い髪の綺麗な女の人が描かれていた。

リナさんはそれを手に取り……とその時。



「り、リナさん! ちょっとー!!」



アメリアさんの声が再び頭上から降ってきたのだった。

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