「どうした」
「なーに? 何かあったの?」
「何だ?」
口々に言いながらアメリアさんの居る所にたどり着き、そこで見たものは……。
長い廊下に向かい合って並ぶ何体もの石魔獣の像、像、像。
「あらあらあらあら……あら」
「ね、すっごく怪しそうでしょ?」
怪しいと言うか悪趣味と言うか……。
こんな所に住んでる人の気が知れない。
「じゃあ、この中に契約の石が?」
「そうとも限らんさ。全部がただの石像かもしれん」
ゼルガディスさんはガウリイさんにそう答え、
「なぁ、リナ……っ!?」
彼女に呼びかけ固まる。
見るとリナさんが腕を伸ばし、呪文を唱えているところ……ってその呪文はっ!?
「……我が手に集いて力となれ」
「ふせろーーーーっ!!」
危険をいち早く察知したゼルガディスさんが私達を床へと突き倒し、次の瞬間。
彼女の術が完成した。
「爆風弾!」
どぉごぉーんっ!
リナさんの手から放たれたそれは、「ブレイクっ!」という言葉と共に弾け、辺りに土埃が舞い上がった。
───爆風弾
凝縮した風を矢として解き放ち、目標に当てると同時に破裂する技で、威力の程は凶悪なまでの殺傷能力を有する術。
当然、当たれば笑い事では済まされない。
その術がさく裂したのだ。
並んでいた石像はことごとく粉砕してしまっていた。
「あー、スッキリした! ああいう趣味悪いの一気にぶっ壊すのって快感ね♪」
「無茶するな。契約の石どころか、何かの罠だったらどうする」
「ま、そん時はそん時よ」
ウィンクして前向きな答えを出すリナさん。
その後ろで、ガラガラと岩が動くような音。
隣ではゼルガディスさんが「やっぱり……」と、どこか諦めたような声を出していた。
「うん? あちゃ〜」
「いい勘です、ゼルガディスさん」
「この状況で褒められても全然嬉しくない……」
「そうでしょうね……」
私達の前にそびえ立つ石人形を見てしまっては、喜べるはずもない。
「で、本物の契約の石は何処にあんだよ?」
「なーに、いざとなったら竜破斬で屋敷ごとぶっ飛ばしちゃる!」
ガウリイさんの質問に、リナさんはとんでもなく過激なことを言う。
それに私が突っ込もうとするより早く、石人形と反対の方から声が聞こえた。
なるべくなら聞きたくなかったその声が。
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