「契約の石を壊さない限り、崩霊裂も効かないわね」
地下深くに落ちた私達。
下に水が張ってあった事を差し引いても、よく無事だったなぁと実感。
「何とか時間を稼いで、その石を見つけるしかないのかぁ……」
「そ。」
ガウリイさんの言葉にリナさんは相槌を打ち、かと思うといきなり頭を抱えて叫びだす。
「だから魔族と関わると厄介だって言ったのよーっ!!」
「その割りには報酬につられてましたよね……」
「うっさいわよ、ユウ」
「……ま、まぁ……それはそれとして」
リナさんに睨まれ、私は即座に話を切り替えた。
我ながら小心者だとは思う。
「一つ気になる事が」
「何よ?」
───けれど。
私が口を開くより先に、ボチャンと水の中で何かが跳ねる音が響き渡った。
「え?」
「今のは……」
ボチャン……ボチャン……。
「何……? 何々っ!?」
音の数はどんどん増していき、私達の間でも緊張が高まる。
───そして。
「ん?」
何者が潜んでいるのか見極めようとした私達の前に、ニョキッと触角が現れ、次の瞬間。
なんとも巨大なナメクジが姿を現した。
それも一匹や二匹ではなく、かなりの数が。
「いや゛ーーーーっ!?」
それを目の当たりにしたリナさんは錯乱状態。
「なめっ、なめ、なめく……」
襲いかかってきたナメクジにリナさんが水の中へと押し倒されるのを、私達は呆気にとられて見ていた。
……大丈夫……かな?
思う内にもリナさんは水の中から這い出し、ナメクジを背に走り回る。
それはもう、もの凄い勢いで。
「リナさんパニクってます」
「初めて見た……」
「って、アメリアさんもガウリイさんも傍観してないで、リナさんを助け……」
「うわぁっ! ダメっ! ナメクジだけはダメなのよっ!!」
リナさんは背に張り付いたナメクジをぶん投げ……ってコッチに投げますか普通!?
「ちょっ、リナさんっ!」
慌てて避けるものの、足場の悪さに体勢を崩し……。
……あぁ、もしかして。
これって水中にダイブのパターンですか?
予感は的中。
見事私は水の中。
そしてその間際に見たものは───。
ガウリイさんに抱き着き涙目になってるリナさんと、その二人を包む怪しげな黒い球体だった。
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