「ど、どうされたんです?!」
「‥お‥く‥い‥」
「??」
ふらつくユウの肩を抱いて何とか支える。
見上げるユウの瞳がうるうるして、彼女にドキっとしまったのは秘密。
「‥おいしく‥ない‥」
彼女の表情が徐々に怒りに変わっていくのが分かる。
「騙したでしょ」
「僕は一言も『美味しい』なんて言ってませんよ?」
『問題はなさそう』と言っただけだと主張するが彼女には屁理屈だと返される。
「味ないしでも苦いし‥」
そう告げる彼女から少しづつ声が小さくなっていくのが分かる。
そして頭が下にコクリと下がったまま話さなくなった。
「あの、ユウさん?」
「‥‥‥」
「まさか気絶なんて」
「‥‥‥」
肩を揺するが返答もなく、瞳を閉じたまま。
「ちょっ‥‥人間にはそんなにまずかったのでしょうか‥」
といいつつ力の無くなったユウの体を抱きしめる。
「こう好きにする時間がなかったので僕には好都合です、が起きたら怒られますね‥」
はは、と困ったように笑うと愛しそうにユウを抱きしめた。
しかし‥‥‥
「ん、あれ‥‥なんでしょう‥?」
自らの目の前も霞み始めた。
目を擦りながら必死に睡魔に耐える。
「僕としたことが‥迂闊でしたね」
壁を背中に付けてズルズルと崩れるように座る。
しかしユウはしっかりと抱いたまま。
そのまま床にたどり着くとゆっくり瞼を閉じた。
あれから何分、いや何時間経っただろうか。
「んん‥」
不快な目覚めだった。
先程の鍋を思い出しそこからの記憶を辿るが全くもって思い出せない。
頭を抱えようとするが、すぐに異変に気付く。
「‥‥何で目の前にいるの」
ユウは自分自身の体を抱えていたのだ。
何故だか幾分座高も高い気がする。
なによりなぜ自分は手袋をしているのか。
解決の糸口は、案外あっさりと見えた。
目の前に眠る自分の体がゆっくりと瞳を開き、発したのだ。
「あれ、僕がなぜ目の前に?」
私の体から発せられる口調はゼロスそのもの。
一瞬にして目の前が暗くなる。
そう、入れ代わったのだ。
私とゼロスの体と意識が‥‥。
リナさん達がオーナーをつれもどしてきた時には、もう手遅れだった。
なんでもここのオーナーはグルメ、つまり珍味を扱う創作レストラン。
そんな彼は遊びで『食べてビックリ!仰天スープ』というものを掲げ新作の料理を研究していたらしい。
しかしこれは『未完成品』。
24時間効果が続いてしまうらしい。
なんでもそれを飲んで1分以内に成り代わりたいものをみると体が入れ代わる特殊なスープを開発したらしい。
「もう一度スープを飲んで成り代わりたい者を見れば?」
という提案もオーナーは『一度飲んだ者には効かなくなる欠点があるんだ』と告げた。
これから残り24時間、どー過ごせばいいのでしょう‥(泣)
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