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「なんか変に意識しちゃうよな〜」


ガウリイはまじまじとユウの表情(中身はゼロス)を見る。

それに合わせてユウの体でゼロスはニッコリと可愛いらしく微笑んだ。


ガウリイを見てヤキモチを焼いたなのだろうか。
リナからげんこつをもらったのは言うまでもない。


「意識は別個でも体はユウのなんだから、迂闊に触ったり近付いたりしないこと!」


テーブルから身を乗り出してガウリイやゼルガディスに伝える。


「しかしなんだ、その‥中身はユウのはずなのだが見た目がゼロスだと、こう‥」

なんだかいつもの癖で敵対してしまう、と眉を潜めてゼルガディスは言う。


「私もです…。ユウさんだと思ってさっきもお風呂に誘っちゃったんですが中身がゼロスさんだって思い出して‥あぁ、神に誓っても過ちを冒したくありません」

「どんな過ちだ、どんな!!」


頭を抱えながら深刻そうに話すアメリアに思わずツッコミをいれるリナ。


「僕は別にお風呂でもなんでもお付き合いしま‥」


「付き合わんでいい!」


リナから早めのハリセンが落とされ‥‥そうになるが、結果降りて来ることはなかった。

ユウの体のゼロスが受け身を取っていたが、不審そうにリナを見つめる。
彼女はばつが悪そうに頭をかきながらハリセンをひっこめた。


「なんかユウの体をを叩くのって調子狂うわ。いくら中身がゼロスでも体を叩くのはおかしいわよね」


よってガウリイにハリセンが跳ぶ。



「ってなんで俺!??」


「ゼロスを叩いても中身のユウが不快な思いするだけだからよ」


「理不尽だが、仕方ない」


ゼルガディスも呆れたように言った。


「でもごめんなさい、私も迂闊に手を出すから‥」



そう涙を含んだ目でゼルガディスに伝えるユウ(見た目はゼロス)。
と、彼は息を飲んだ。

普段は見せない可愛いらしい姿に、あくまで見た目はゼロスなのに、だ。赤面してしまう。


(さすがゼロスの美貌‥)


上手くやれば男をも(おとしい)れられるのに。
率直にユウは感じた。


「んま、障害は沢山あるけどここのオーナーが効果無くなるまで宿泊代と食事代チャラにしてくれるってゆーんだから!」


それまでは我慢しましょ、と取りまとめた。
‥‥は良いが、内心『食事目当て』というリナの思考はバレバレであった。


「リナさん、表情に出てます‥」



アメリアの額には汗マークが浮かんでいた。




「ゼロスー?女の子の体になるってどんな感じなんだ?」


話しを割るように、テーブルから乗り出して面白そうにガウリイは聞く。

ガウリイのことだ。
この質問に特に意味はない、と思いながらもゼルガディスやリナは聞き耳を立ててしまう。


「んーそうですねえ。僕自身、体は自在に変えられるので特には思いませんが、人間の体になったのは初めてなので、なんだか動きづらい気がします」


「体が硬いってことか?」


「いえ、重力とか血液量とかはたまた心臓とか‥人は繊細なものなので、魔族とは違ってそれらが詰まってるからこそ動きづらく感じるんだと思います。」


「へぇー??なんだか凄いなァ」


「ガウリイ…本当に意味分かって聞いてる?なんだか返答に疑問符付いてるみたいだけど」


「分かってるさ!…そう聞くリナのが分かんなかったりしてな」


そう笑うガウリイに、リナからのげんこつが数秒後に入っていたのは言うまでもない。


「僕としてはずっとユウさんの体でも良くなってきたんですが…」

嬉しそうに笑う彼をよそにユウの顔が瞬時に青くなっていく。


「むりっ!あたしは自分の体に戻りたいの!」


「まあまあ。あと20時間くらいで元に戻りますから♪」


そうウィンクを向ける。


「あぁ…。なんか人生で1番長い1日になりそー‥」


なんやかんやここからが問題ばかりだった。
ユウだと思えばゼロスに、ゼロスかと思えばユウに、会話はおかしい位に矛盾してしまっていた。
しかもやたら見た目はユウのゼロスはガウリイやゼルガディスにちょっかいを出して私とアメリアは非常に困っていたし、何も言わないユウは怒りで呪文の1つや2つ唱えないか冷や冷やした。

んま、そんなちょっかいも、かろうじてユウが見てない所だったからいいものの‥。


「だーーーッ!もうやってらんない!!」


テーブルを叩きユウとゼロスを指差す。

「あんた達二人で24時間経つまで生活してなさい!!」


ぴしゃりと言い放つリナ。


そこにクスっとゼロスは笑って、


「僕は構いませんよ?」


意味ありげにユウに視線を移した。

その視線に背筋が凍り付く。


(コイツ‥何か企んでる)


直感が知らせていた。


「いや!私は、私はですよ!?ぜんぜん迷惑かけませんし、でなければ一人で外にい‥‥」


最後まで話す前にゼロスに口を押さえられてしまった。



「まぁまぁ。リナさんたちに迷惑をかけないように僕らは別室でひっそり過ごしましょうか」

それだけ言うと扉を開けてユウを引っ張り込み、鍵を閉めた。

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