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「お前はっ!?」

「ゼロスっ!?」

「ゼロスさんっ!」

「誰だっけ?」



現れた声の主の名前を呼ぶリナさん達。

若干一名、お馴染みの記憶力により首を傾げているが……。

私は被っていたフードを引っ張り、より深く顔を隠す。

そうしている内にも耳をひとまとめに掴まれたポコタさんが、空中で手足をじたばた暴れさせた。



「何だコイツっ!? お前らの仲間かっ!?」

「仲間っていうか、何て言うか……」

「ねぇ?」



何と答えたものか迷い、リナさんとアメリアさんが顔を見合わせる。

それもそのはず。

いくら利害が一致して行動を共にしていた事があるとは言え、魔族を手放しで仲間と言うには問題があり過ぎる。

そんなリナさん達を気にするでもなく、ゼロスは未だ手の中でもがき続けるポコタさんに、



「まぁまぁ、そんなに暴れないで下さいよ、ポコタさん」



と、笑顔を向けながら話しかけた。

かと言って、ぞんざいに扱われているポコタさんがそれを許容できるはずも無く、身を捩らせる。



「とにかく放せよっ!」

「落ち着いて下さいってば……」



聞く耳を持たず暴れるポコタさんに見せつける様に、もう片方の手の中にあったゼルガディスさんの髪の毛を指の力だけで真っ二つに折ると、ね?と笑顔を崩さず燃やして消滅させた。

簡単にやってのけたゼロスに、それが見た目通り容易に出来る事ではない事を肌で感じたであろうポコタさんはもがくのを止め、黙ってこくりと頷く。

その様子を見ていたリナさんが、胡散臭そうにしながらゼロスへと問いかけた。



「ちょっとゼロス、何でアンタがこんなとこに居るのよ?」

「そんなの言うまでも無いじゃありませんか?」

「うん?」

「それは、ひ・み・つ・です♪」



指をふりふり、お決まりのポーズで答えるゼロスは、続けて周りをよく見る様にと促す。



「え?」

「こんなに霧が濃く……」

「いつの間に」



フードを深く被っている所為で視野はかなり狭いのだけど、それでもわかる範囲の視界ですら白さが増している事に気づかされた。

けれどゼロスが言わんとしていたのは、そういう事ではなかったらしく、



「そうじゃありません。もっと良く見て下さい」



と、更に辺りを見ろと促してくる。

その言葉に、ゼルガディスさんが訝し気な声を上げた。



「どういう意味だ?」



そんな中、最初に何かに気付いたのはアメリアさんだった。



「リナさん! あそこに何か!」

「ん?」



彼女の指さす方向に、薄ぼんやりと大きな影の様なものが見て取れる。

よくよく目を凝らしてみれば、霧が出る前はただの森だったはずの場所に、似つかわしくない建物が見て取れた。



「あれは……何だ?」



ガウリイさんが疑問の声を上げる中、ただ一人、ポコタさんはあちゃあと顔を覆っていた。

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