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「街? こんな所に……」



建物に向かい歩みを進めると、周りの状況が把握できてきた。

空を覆い隠すほどに伸びた木々。

その大木に取り込まれてしまった建物。

明らかに先程私達が居た森とは雰囲気が、時間の流れが異なっている。

ちらり、とゼロスに耳を掴まれたままのポコタさんを窺い見ると、腕を組んで沈黙を貫いていた。

けれど───



「何なんだ、この街は?」

「周りは茂みが伸び放題ですし、建物も苔に覆われて……」

「全く人気が感じられん」

「何らかの理由で放棄された街何ですかねぇ?」



そんなリナさん達の声に、黙っていられなくなったポコタさんは堂々と答えた。



「放棄されてなんかいねぇ! この街は俺の故郷だ!」

「アンタの故郷?」



彼の言葉にリナさんが聞き返すも、それに対し何かを知っていそうなポコタさんは答えずに再度手足をバタつかせる。



「いい加減に放せよっ!」



焦れたポコタさんは体を捩り、ゼロスの手から逃れ地面に着地すると、そのまま私の方へとジャンプしてきて───



「っ!?」



頭の上に乗ろうとしたのだろうが、勢いが付き過ぎたのか被っていたフードが引っ張られ、ずり上がる。

それに気づいて、慌ててフードを抑えるものの、時すでに遅し。

目を見開き、こちらをバッチリ凝視しているゼロスに、私は先程のポコタさん同様、顔を覆いたくなった。

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