「ちょっと赤木さん!?あなたどういう経緯でJOJOと……!?」
「いつの間に!」
「うん知ってたこの流れ知ってたよ」
空条くんが初めて教室に来た日のお昼休み。私は空条くんのファンに囲まれてしまった。今朝からだいぶ騒がれていたし、まぁ、お約束だよね。予想してたからこっそり何処かへ行けば回避できたはずなんだけど……なんでしなかったてそりゃあ、空条くんがそこでご飯食べ始めちゃったからだよね。お母さんの手作りっぽいやつ。わたしはたまに屋上でご飯食べるときに見てるから知ってたけど空条くんファンには刺激が強かったみたいで。
『じょっJOJOが手作りのお弁当ーーーッ!?!?』
『かわいい!!』
『キャーーーッJOJO〜〜〜!!』
とまぁこんな具合に。……話が逸れた。私はいつも屋上で食べないときは教室で1人で食べてたから、(ぼっちとかは小説さえあれば気にしない)、いつも通りにそうしようかと思ったら空条くんから声をかけられてしまった。
「こっちで食わねーのか」
「いっ!?え、あ、あの……」
「…………」
「……いただきます」
「「!?」」
空条くんが無言でこちらを見るのに耐えられなくなって、気づけばそう返事してしまっていた。私は身体を後ろに向けて空条くんの机を少し借りてお弁当を食べ始めた。ぶっちゃけ言えば、目立っちゃうから勘弁して欲しかった。けど屋上では一緒に食べてたもんなあ……。今更別々に食べるのも白々しいか。
幸い食事中には誰も話しかけてこなかったけれど、食べ終わった途端囲まれてしまったのである。
「JOJOと赤木さんはどーいう関係なの!?」
「ど、どーいうって」
ちらっと空条くんに目線で助けを求めて見ても知らんぷりされた。仕方なく私は言う。
「友達……です」
「「はあああああ!?」」
「ひいぃっ」
詰め寄られて、上半身を反る形になる。友達という言葉で女子だけでなく静かに見物してた男子まで騒がしくなった。
「友達!?な、なによそれもっと詳しく教えて頂戴!」
「あれ脅されてんじゃねーの……」
「うわ〜っ空条こえぇ」
「赤木と空条ってたまに一緒にいなくなってたよな、授業中……」
「付き合ってるんじゃないの!?答えてよ赤木さん!!」
「あの、っ」
発言しようにも言葉が詰まるのと喧騒に掻き消されて苛立ちが募る。詰め寄ってくる女子のすごい剣幕と耳に入ってくるひそひそ話す男子の下世話な話。苛立ちに耐えられなくて叫んでしまいそうなときだった。
「ウットーしいぞてめーらァーッ!」
しん、と教室が静まり返った。空条くんはお行儀悪くガンッと机に脚を乗せて怒鳴った。そのあまりの剣幕に騒ぎ立てていた女子も、ひそひそ話していた男子も全員黙った。一部には顔を青ざめている人もいる。
「JOJOこわい……」
「で、でもそこがカッコ良いわ」
「しびれるゥ……」
前言撤回。恋する乙女はタフらしい。
ちょうどそこで予鈴がなってみんな席へと戻って行った。取り囲む人がいなくなったことにほっと息をつく。
「空条くん。助かったよありがとう」
そう伝えると空条くんはお決まりの「やれやれだぜ」を言って、満足そうに少しだけ笑った。