桂とひさしぶりに


もうすぐ日付も変わろうかという時間帯。どこか遠くで呼子の音が聞こえた。
その音が次第に近くなって、また遠くに消えていった。
心がざわざわと揺れた。

ガタッ

窓を誰かが叩く。私の部屋はアパートの2階だ。本当ならこんなところに人が来るはずはないのだが。

「俺だ。」

知っている声に、ハッとして急いで窓に走り寄る。鍵を外して窓を開けると、壁にもたれかかり恋人が座り込んでいた。

「小太郎…!は、はやく入って!」

右手で左手をかばっている。右手をどけさせると、すっぱりと着物が裂けていて、真っ赤に布が染まっていた。
サァーっと血の気が引いていくのが分かった。

「早く脱いで!」

「そう急くな。後でゆっくりシてやるから。」

「…息の根止めるわよ。」

「ひさしぶりだよね。」

そうだ、小太郎と会うのはかれこれ1カ月ぶりだ。


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