安室/ケーキが溶けた


さすがに甘いもの好きの私もこれはさすがに…。

「す、すごい量ですね」

「いくつか試作してみたのでまなさんの意見をもらえませんか?」

最近ポアロの冷蔵庫の不調のせいで、作ったケーキの形が崩れてしまうということが続いている。
初めからクリームを載せるタイプのものだとどうしても溶けてしまうので、別のケーキを作ることにしたらしい。
そこで何種類かのケーキを作った安室さんは試食人に私を指名した、というのが今の状況だ。

「私昨日もたくさんケーキ食べて、その…」
「どうしました?」
「えっと、食べ過ぎで太っちゃうなって…」

「なるほど」

少しの間を置いて、納得したように安室さんが頷いた。
…なんだかすごく恥ずかしい。

「まなさん、知ってますか?」
「え?」
「原則、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば太ることはないんですよ」

「つまり、食べた分以上に動けばいいんです」
「なるほど…!」

「あ…でも、私運動苦手なんですよね…どうしよう」
「安心してください、まなさんにもオススメな運動法がありますから!」
「本当に!?じゃ、じゃあ安室さんを信じて…食べちゃおっかな?」
「えぇ、たんと召し上がれ」

この後この安室という男に食べられるとは知らずに、テーブルのケーキを全て平らげてしまった私だった。

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