03
青葉城西男子バレーボール部は、毎週月曜日休息日。
突然の告白には、驚いたけど嫌だとは思わなかった。むしろ、嬉しかった。だから向き合えた。
国見は、他人少しだけやる気がない、少しだけめんどくさがりや。でも、課題で分からない所があって聴くと丁寧に教えてくれた。めんどくさいといいつつ、ちゃんと課題をやっている所、優しい所、眠たくて瞼を擦る可愛い所「すきだなぁ」って溢れてしまった。
付き合っていくのは、少しだけ(主将が)大変だけど、国見も外でイチャイチャしたりするような人じゃないから多分言わないままでも、私はいいのかなと思っている。
月曜日、うちね。と言われていたので、学校から時間をずらしてバラバラで国見宅へ向かった。
多分、普通のカップルなら付き合いたてで家?って思うかもしれないけど、私たちは世間が想像する様な事が一度も起こっていない。
「おじゃまします」と挨拶するの国見母が快く向かい入れてくれて、スタスタと二階に上がっていく国見の部屋へ向かった。
春休みに何度か二人で過ごした部屋のドアをノックすると「いいよ」と国見の声が返って来た。
「お邪魔しまーす」
「…ん」
あれ?なんだろう?少し疲れている?眠い?来ない方が良かったのかな?高校始まってからすぐ朝練も午後練もあって、授業も始まっててお疲れかな?
「お疲れだね、今日は帰ったほうがいい?」
「違う、帰らなくていい」
「……そうなの?」
ブレザー掛けていいよ、とハンガーを受け取り白いブレザーを脱いでハンガーにかけると、すっと手元から消えた。
国見が自分のブレザーを掛けた隣に掛けてくれた。並べるとやっぱり大きいなぁと二つ並んだ白いブレザーを見ていると、そこ座りなよってクッションを用意してくれてベッドに背を預ける様にして座るとその隣に、国見が座った。
並んで座ると春休みの時の様で思わず「…宿題やる?」と声をかけた。
すると、少し眉間にシワを寄せて「やりたいのならゆりだけ、やれば?俺は休憩する」と腕を高く伸ばして、後ろのベッドに上半身だけ乗せて目を閉じた。
「ベッドで寝たら?」とと聞くと彼はもう夢の中…。睡眠の邪魔にならないように静かに鞄から宿題を取り出した。
宿題をやり始めて、二、三十分が経った頃、急に誰かに見られている感覚がした。隣の人は寝ているので…錯覚。でも、一応と隣をゆっくり覗き見すると瞼を閉じて綺麗な顔を無防備に晒しているので、やっぱり勘違いだった。
また手元の宿題に視線を戻した。
その時、肩にコテっと可愛い効果音が似合うほど優しく、重たくならないように少しだけもたれかかってきた。「ど、うしたの?」と聞く「…放置、かよ」と囁いた。
「え、だって、寝ちゃったから」
「寝てない」
「…休憩するって」
「もう、おわった」
手元にある宿題から視線を国見に向けて「ごめんね?」と言えば「やだ」と返ってきた。
…宿題が出ているのがダメだったのかな?と思い、テーブルの上に広げてある教科書やノートに手を伸ばし片付け始めるとまた「…俺の事、本当にすきなの?」と囁いた。
「す、すき、じゃなかったらここにいないよ」
「俺と二人なのに、一人で宿題始めたじゃん?」
「…だって、春休みの時もそうだったから…」
「俺の事、三十分放置したね?」
「…っ、ごめんなさい」
「やだ」
どうすればいい?と聞くと、並んで座っていたのを向き合うようにして、私の両肩に、国見の両腕を乗せて、鼻先が触れてしまいそうほど、顔を近づけて「名前」とだけ言った。
近すぎる国見の目はいつものような眠そうな目ではなかった。
「…国…っ、!!」
呼び終わる前に口を塞がれた。
ファーストキスにロマンティックを抱くほど夢を見る女の子じゃないけど、こんな突然されると思っていなかったので、目を見開くと「…おれ、怒ってるから」とまだ鼻先が触れるほどの距離にある国見の顔は、少しだけ頬が赤く染まっていた。
「初めて、でした」
「…俺も」
「…ビックリするので、いきなりは辞めてほしい、国っ!!」
「ゆりが、辞めたらやめる…はず」
「はずってなに!」
恥ずかしくて名前で呼ぶ事が出来ないと思っていたけど、今、この状況のが恥ずかしい。「ねぇ、まだ?」と呼び間違えだけだったはずが呼ばないでいるとチュッとわざとらしく音を立てた。
「…あ、…きら、」
「ん」
「…っ 英!」
目の前をみないように目をつぶって少し大きな声で呼ぶと返事がない…ゆっくりゆっくり目を開けると今まで見た事も無いほど優しく微笑んでいた。
また、明日から部活頑張ろうそう思えるほど国見の顔は愛おしかった。