月島蛍は暴露する






「あ、そうだ蛍くんデートいつ行く?」

「っハァ?!」

「え゛…」



何を言い出すんだ教室で。
皆こっち向いたんだけど、注目浴びてるんだけど、どうしてくれるのこの空気。

で、なんでそんなきょとんとしてるの、自分が何言ったか分かってないの?馬鹿なの?と色々言いたいことはあるけど。分かってる、あれでしょ、ケーキ食べに行くってやつでしょ。僕がデートって言ったから、デートって言っただけでしょ、わかってるよ。分かってるのに、何ドキドキしてるんだ僕は、馬鹿なの?



「あ、忠くんも来る?」

「え、いいの?…あ、いや、やめとく」

「そう?」



山口にも声をかけたことで、みんなが想像したデートじゃないと分かったのか皆の興味は覚めたようだ。

はあ、とため息を吐くと不服そうな顔がこっちを向いた。



「え、行かないの…?結構楽しみにしてたのに…」

「行かないなんて言ってない。インハイ予選終わったらね」

「ん、そうだね……あ!」

「?」

「聞こうと思って忘れてた…蛍くん、忠くんも。私がバレーボールしてた頃のこと、もしかして知ってる?」



びくっと山口の肩が揺れた。

何か口すべらせたのか…?目を向けると頑なに目を合わせようとしない。また深いため息が出た。



「小学生の頃、試合したことがあって…中学の時の試合も何回か観たことあるってだけだよ」

「やっぱりー!忠くん私がジャンフロ出来るって知ってたから、変だと思ってたんだ」

「そういうこと」

「うっ、ご、ごめんツッキー…」

「そもそも私がバレーから離れたこと気にしてたのも怪しんだ理由の1つだけどね」

「……」

「なんで黙ってたの?」



だって気持ち悪いだろ。
知らない人間から、見ていたと言われるのは。癪だけど、ファンと言っても良いくらいには数少ない試合を出来るだけ全部見ていたのだから。



「ていうか私の選手時代知ってるくせに、ちゃんと出来るかどうか確かめないととか言ったのですか、蛍くんは!」

「まあ、キミがバレーから離れて2年は経ってたし」

「うっ…続けてたとは言え、否定できない事実…」

「それに、見たかったんだよね、普通に選手としてプレーしてるところ」

「? なんで」

「…わりと好きだっから、キミのバレーボール」



そう言えば正に鳩が豆鉄砲食らったような顔をしたあと、じわじわ顔が赤くなった。

…なにその可愛い顔、やめてくれる。



「ぐえ」

「…ちょっと褒めただけでしょ、なに照れてるの」

「ううむむ」



片手でその顔を掴む。

これたまに影山がやってるよね、ムカつくけどやりたくなるのも分かるな。やわらか。

わあ、それ睨んでるつもり?



「フッ」

「はにゃして」

「ハイハイ」

「なんで!急に!つかむの!」

「ムカついて」

「?! 意味わかんない、蛍くんが急に好きとか言うからじゃん!」

「言葉が足りないんですけど、好きなのは君のバレーなんですけど」

「分かってますー!!大体、蛍くんだって照れてたでしょ!」

「僕が照れるわけないデショ」

「照れてましたー!ね!忠くん!」

「……イチャつくの反対」

「「イチャついてない」」

「…そういうとこでは?」




月島蛍は暴露する


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