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「とどめだ!」
太一の声が響いた――その時。上空から、岩の塊が落ちてきた。
所謂崖崩れなのだが、あれに潰されたら、ひとたまりもない。
「きゃーっ!」
「…っ!」
ガルルモンは驚愕に目を見開くヤマトのために、フォックスファイヤーを岩石にあてた。次いで、パートナーたちのために、バードラモン、カブテリモン、グレイモンらが必殺技をあてる。
岩石は激しい爆音とともに割れ、破片だけが彼らに降り注いだ。
「みんな、大丈夫か?…アグモン!」
二度目の進化で疲れ果てたアグモンたちは、ぐったりと地面に倒れていた。パートナーたちは急いで彼らのもとへ駆ける。
「大丈夫、ちょっと疲れただけ…」
「今日二回目の進化だからな…」
「あいつらは?」
「いてまへんな…。レオモンも、今の崖崩れに巻き込まれたんでっしゃろ」
「……ッ!」
そんな中、栞は悪寒を感じ、頂上を見上げた。ふ、と感じる二つの瞳。いわゆる1人の視線。あそこに、何か恐ろしくて、そして悲しいものが存在している。――言葉に出来ないけれど、おそらく。
「どうした、栞?」
「えっ、いや…ううん、何でもない」
「何で急に崖が崩れてきたんだろうな、」
思案するヤマトに同意したのは、太一だった。
「俺も思った!けどさ最初はやばいって思ったけどさ、結局あれ俺たちを助けてくれたよな」
「向こう側の道が崩された時に、ヒビでも入ったのかもしれませんよ」
光子郎の言葉を最後に、子供たちは再び山を下り始めた。いつまでもその場所に留まっていると、またレオモンたちが襲ってくるかもしれないと考えたからだ。
ただ、栞の不安だけはぬぐえなかった。あの恐ろしい塊は、いつしか自分たちの前に立ちはだかる大きな敵となるかもしれない。――そうなった時、わたしは。
17/07/25 訂正
10/11/08 訂正
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